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Wi-Fiメッシュルーター「VELOP」、トライバンドとデュアルバンドをラインアップ、ベルキンが一般発売

 ベルキン株式会社は、LinksysブランドのWi-Fiメッシュネットワークシステム「VELOP」を家電量販店店頭やオンラインショップなどで9日に発売する。

 VELOPは、複数台を組み合わせて家中くまなくWi-Fiの電波を届かせるメッシュネットワークを構築できるシステム。2017年1月に同社メッシュWi-Fiの製品として初めて米国で発売され、日本国内では今年7月からトライバンド対応モデル、9月中旬からはデュアルバンドモデルがApple Store限定で先行販売されていた。

 市場想定価格(税別)は、トライバンド対応モデルがルーター単体で2万980円、2台セットが3万5980円、3台セットが5万3480円。デュアルバンドモデルのルーター単体が1万3980円、2台セットが2万2980円、3台セットが3万2980円。

ベルキン株式会社Linksysセールス&プロダクトマーケティング担当の八島史典氏
中央の3人が持つのがトライバンドモデル、八島氏が持つのがデュアルバンドモデル

 ベルキン株式会社Linksysセールス&プロダクトマーケティング担当の八島史典氏は「(Wi-Fiに接続されるのは)数年前はPCだけだったが、今ではスマートフォンやタブレットが普及し、家の中で持って移動しながら通話や動画の視聴がされている」としたほか、日本の住宅が、多数のWi-Fiアクセスポイントに取り囲まれている環境の変化を紹介。

 「家中どこでも隅々まで高速なWI-FIをお届けする」とし、「(ルーター間の接続では)間取りに合わせて自動的に最適なトポロジーを選択する」と解説。

 また、例えば「廊下に出て階下へ移動しても接続は途切れない」と述べた。さらに「1つのノードがつながらなくなったときも止まらず、障害のあったノードが復旧すれば、自動で構成を復元する」とし、「ルーターと中継器でネットワークを広げても、つながらない場所や通信が弱い場所が出てきたり、電波の干渉などもあった」と述べ、「こうした不満はメッシュですべてカバーできる」とした。

 さらに、2018年の米国におけるルーター市場の調査では、「月あたり30万台が販売されるうち、多くのシェアを数年前まではなかったメッシュが占めている」と紹介。メッシュWi-Fi製品について「米国では2年前、とある会社から登場したことで広まったが、今年は日本にも参入した。同じようなトレンドが日本にも来ると考えている」と、「Google Wifi」を念頭にした見解を示し、VELOPについて「デザイン、性能、使いやすさのいずれもが優れている」と述べた。

 VELOPの背の高い形状に関しては、「高いところの方が通信は通りやすく、放熱面でもメリットがある」とし、「VELOPではDFS帯域も使い、より高速さを確保できる。速度が減速していく症状は見られず、回線速度を100%維持できる」と述べたほか、トライバンドとデュアルバンドのルーターが混在しても利用可能とした。

 Linksysのインテリジェントメッシュの4つの機能として、自動回復、最適化、接続調整、1つのネットワークの4点を紹介。「自動で一番高速なノードと接続できる」と、その利点を紹介。さらに設定面についても「実際5分くらいで設定ができ、非常に簡単」とした。

 このほか、2LDKのマンションや4LDKの一戸建て住宅における他社製品との比較テスト結果や、ショッピングモールを13~14台でカバーしているシンガポールの事例、回線のある9階に2台、8階と7階に2台ずつ、計6台で3フロアをカバーしたする事例も紹介した。

 トライバンドモデルは、最大通信速度867Mbpsの5GHz帯を2系統、同400Mbpsの2.4GHz帯を1系統。デュアルバンドは5GHz帯と2.4GHz帯の各1系統(最大通信速度は同じ)に対応する。

 トライバンドは6基、デュアルバンドは2基のアンテナを内蔵。ノード間やクライアントとの接続は、通信チャネルを含め自動的に最適化される。なお、ノード間は有線LANでの接続にも対応する。ビームフォーミングやMU-MIMO、256QAMにも対応する。ブリッジモードとルーターモードでの動作が可能。

 搭載CPUは716MHzのクアッドコアで、トライバンドモデルは512MBのメモリとフラッシュメモリ、デュアルバンドモデルは256MBのメモリとフラッシュメモリを搭載。各ノードには、WAN/LAN共用のギガビット対応有線ポート×2を装備する。

 Android/iOS用アプリ「Linksys」により初期セットアップが行え、スマートフォンとの接続用としてBluetooth 4.0にも対応する。Linksysアプリでは、ペアレンタルコントロールやゲスト用Wi-Fi機能を設定できるほか、Amazon Alexaとの連携も可能だ。本体サイズは78×78×185mm(幅×奥行×高さ)となる。

 Linksysは1998年に創業され、翌1999年には世界で初めて家庭向けにWi-Fiルーターを販売。家庭向けのMU-MIMOソリューションも世界で最初に手掛けている。また、2003年に米Cisco Systemsに買収され、コンシューマー向けにネットワーク関連製品を手掛けていた。日本市場からは2009年に撤退していたが、今年7月に再参入している。

Linksysアジア太平洋地域マネージングディレクターJenny Ng Chin氏

 Linksysアジア太平洋地域マネージングディレクターのJenny Ng Chin氏は、「Wi-Fiは食べ物の次に大事で、SEXより重要度が高い」とのアンケート調査結果を紹介。

 さらに「日本は世界で6番目にインターネットユーザーが多い国で、全人口の94%がインターネットユーザーだが、誰のニーズにも応えられるフレキシビリティの高い製品で、とても使いやすいルーター」と製品への自信を示した。

【記事追記 18:58】
 各モデルのフラッシュメモリ搭載容量に関する記載に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

 誤:トライバンドモデルは512MBのメモリと4GBフラッシュメモリ、デュアルバンドモデルは256MBメモリと256MBフラッシュメモリを搭載。

 正:トライバンドモデルは512MBのメモリとフラッシュメモリ、デュアルバンドモデルは256MBのメモリとフラッシュメモリを搭載。