ニュース

12月10日は“IT誕生”50周年、アラン・ケイ氏らが出演して日本全国で記念シンポジウム

インターネット商用化25周年の今年、「IT Day」制定へ

 “コンピューターの父”アラン・ケイ氏や“日本のインターネットの父”村井純教授らが登場するシンポジウム「IT25・50~本当に世界を変えたいと思っている君たちへ~」が、12月10日18時30分より日本全国で同時開催される。メイン会場は、慶應義塾大学三田キャンパス(東京都港区)で、参加費は前売りが一般5000円(先着100名)、学生2000円(先着20名)、当日が一般6000円、学生3000円。このほか、日本全国の各会場へ向けたライブ中継も行うとしており、現在、共催する有志を募っている。

 主催する「IT25・50」シンポジウム実行委員会によると、今年(2018年)は、1993年にウェブブラウザー「NCSA Mosaic」が発表され、インターネット商用化が本格的に始まってから、25年周年にあたる。

 また、1968年12月9日(米国時間)にダグラス・エンゲルバート氏が、マウスやウィンドウ、ハイパーテキストなど、その後のパーソナルコンピューターやインターネットの歴史の出発点となった「The Mother of All Demos(すべてのデモの母)/The DEMO(ザ・デモ)」を行ってから50周年だという。

 今回のシンポジウムは、その“ITが誕生した日”からちょうど50年後となる日本時間の12月10日に、「インターネット商用化25周年&『The DEMO』50周年記念」として企画したもの。「アラン・ケイが1972年に著した論文のタイトル『A Personal Computer for Children of All Ages(すべての年齢の子ども心を持った人たちのためのパーソナルコンピューター)』に描かれているような、若いしなやかな感性を持った人たち」、そして「本当に世界を変えたいと思っている人たち」に参加してほしいとしている。実年齢は問わない。

 アラン・ケイ氏は、ロンドンから遠隔で出演し、「未来を予測する一番いい方法は、自らそれを創ることだ」と題した基調講演を実施。同氏の言う「ダイナブック構想は今なお実現していない、実現するのはこれからだ」ということの意味を、具体的に話してもらうという。

 また、村井純氏(慶應義塾大学教授)、村岡洋一氏(東京通信大学学長/情報処理学会副会長)、阿部和広氏(青山学院大学客員教授)、園田智也氏(ウタゴエ株式会社代表取締役社長)、佐藤昌宏氏(デジタルハリウッド大学大学院教授)、服部桂氏(ジャーナリスト)らとのパネルディスカッションにも参加する。司会は、高木利弘氏(元「MACLIFE」編集長/株式会社クリエイシオン代表取締役)と鈴木柚里絵氏。

 実行委員会では、ダグ・エンゲルバート協会とも連携。同協会の共同創設者兼エグゼクティブディレクターであるクリスティーナ・エンゲルバート氏も、同様に遠隔でパネルディスカッションに出演するという。

 シンポジウムの目的としては、「本当に世界を変えた偉人の話をみんなで聞こう」「どうしたら本当に世界を変えられるか、みんなで考えよう」「みんなで本当に世界を変えよう」という3つを掲げている。

 なお、米国では現地時間の12月9日、ダグ・エンゲルバート協会主催の「TheDemo@50」が開催され、“インターネットの父”ヴィントン・サーフ氏、“ワールドワイドウェブ(WWW)の父”ティム・バーナーズ=リー氏らも集い、IT誕生50周年を盛大に祝う予定だという。

 「IT25・50」シンポジウム実行委員会では、「この機会に『IT Day』を制定し、毎年、IT全体の発展を祝うとともに、これまでの歴史を振り返り、これからの“未来社会”をみんなで考えてゆく活動を継続・発展していきたい」としており、ダグ・エンゲルバート協会と共同で「IT Day World Committee」設立準備会を立ち上げる予定だ。

 また、12月9日には“IT25・50版バルス”も計画。この日、世界中で「Mouse(マウス)」と一斉につぶやいて“マウスの誕生日”を祝い、The Demo 50周年とIT Dayキックオフの祝賀を全世界で盛り上げるとしている。

 「IT25・50」シンポジウム実行委員会は、高木利弘氏、服部桂氏のほか、橋本大也氏(デジタルハリウッド大学教授メディアライブラリー館長)、福岡俊弘氏(元「週刊アスキー」編集長、デジタルハリウッド大学教授)、神田敏晶氏(KandaNewsNetwork代表)、柏原裕一郎氏(株式会社kassy商会代表)が発起人となって結成。クリエイシオンが事務局となっている。