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弥生、会計・業務ソフトの2020年版を発売、e-Taxを簡単にするアプリも提供へ

弥生株式会社代表取締役社長の岡本浩一郎氏

 弥生株式会社は、業務ソフトのデスクトップアプリ版製品の新バージョン「弥生 20 シリーズ」を11月15日に発売する。ラインアップは、会計/青色申告ソフトの「弥生会計 20」「やよいの青色申告 20」、給与計算ソフトの「弥生給与 20」「やよいの給与計算 20」、販売管理/請求ソフトの「弥生販売 20」「やよいの見積・納品・請求書 20」、顧客管理ソフトの「やよいの顧客管理 20」があり、いずれもオープン価格。Windows 10/8.1/7に対応する(Windows RT 8.1/7 SPなしは除く)。

「弥生 20 シリーズ」のラインアップ

「法令改正対応」と「業務効率化」に重点

 バージョンアップで重点を置いたエリアは「法令改正対応」と「業務効率化」の2つ。

軽減税率に細やかな対応

 「法令改正対応」としては、まず、消費税法改正への対応が挙げられる。会計/青色申告ソフトおよび販売管理/請求ソフトにおいて、消費税率10%の自動計算、軽減税率8%・複数税率の入力および税率別の自動計算に対応する。

 特に軽減税率に対しては、入力補助ツールを改善し、各種取引辞書(仕訳辞書、伝票辞書、かんたん取引辞書)や仕訳アドバイザーにおいて、軽減税率に対応した取引を追加。軽減税率による取引であることを明確に判別できるかたちで選択できるようにするなど、細やかな対応を行ったという。

 また、金融機関などの明細データやレシートなどの紙証憑のスキャンデータを取り込んで自動で仕訳する「スマート取引取込」サービスでは、レシート上に記載された複数税率を解析し、税率ごとに金額を読み取れるようにする。ただし、現時点では読み取り精度に課題があるため、改善に取り組んでいるという。

 このほか、会計/青色申告ソフトでは、新様式の各種帳票や消費税申告書への対応、販売管理/請求ソフトでは区分記載請求書の作成・印刷への対応が行われる。

 給与計算ソフトにおいては、令和元年分の年末調整に対応。「年末調整対応版(令和元年分)」アップデートプログラムをオンラインで提供する。

e-Taxでの電子申告を簡単に

 さらに、所得税における電子申告優遇措置への対応として、弥生の自社開発による「確定申告e-Taxモジュール」を新たに提供する予定だ。

 この優遇措置は、令和2年分の所得税確定申告(申告期限は2021年3月)以降、青色申告特別控除額と基礎控除額が変更され、電子申告または電子帳簿保存を行うことで控除額の実質10万円アップとなるものだ。これを見据えて弥生が提供するe-Taxモジュールは、国税庁が提供するe-TaxソフトよりもシンプルなUXで、個人事業主が簡単に電子申告ができる仕組みを提供するという。

 同モジュールは独立したデスクトップアプリとして提供され、今回発売する「弥生会計 20」「やよいの青色申告 20」と連携して使えるほか、「やよいの青色申告 オンライン」「やよいの青色申告 オンライン」といったクラウドアプリ版のサービスにも対応する。まずは、2020年1月よりWindows版のモジュールを提供開始。追って2021年1月にはMac版のモジュールも提供開始する予定で、Macでこれらクラウドアプリ版サービスを利用しているユーザーからも利用できるようにする。

「スマート取引取込」の機能強化で、「業務効率化」を継続

 もう1つの重点エリアである「業務効率化」としては、「スマート取引取込」における継続的な機能強化を掲げている。

 スマート取引取込では現在、金融機関と法人口座3000件以上を含む全国5000件以上の口座とスクレイピング方式での連携を行っているが、より安全なAPI方式による連携への切り替えを推進。前バージョンの「弥生 19 シリーズ」で進めたネット銀行系のAPI連携に引き続き、新バージョンの「弥生 20 シリーズ」では、メガバンクや地銀にも銀行API連携を拡大する予定だ。このほか、AIによる仕訳推論精度についても、継続して向上を図るとしている。