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Cisco、自社製チップ初搭載のスイッチ「Cisco Meraki MS390」シリーズ
WWANゲートウェイと併せ2020年度第2四半期に出荷
2019年11月26日 17:47
シスコシステムズ合同会社は、クラウド管理ソリューション「Cisco Meraki」シリーズの新製品で、初めて自社開発チップを搭載したスイッチ「MS390」やワイヤレスWAN対応のゲートウェイ「Cisco Meraki MG21/21G」などを2020年度第2四半期に出荷することを発表した。
米Ciscoシニアバイスプレジデント兼Cisco Meraki担当ジェネラルマネージャーのトッド・ナイチンゲール氏は同社製品について「テクノロジーだけにフォーカスしているわけではない。より多くの客により多く満足してもらうために、パワフルなテクノロジーをシンプルな形で提供している」とした上で、「日本で大きな成功を収められたのは、パワフルなデバイスやテクノロジーを持っていただけでなく、プラットフォームがあったからだ」と見方を示した。
Cisco製チップを初搭載したスイッチ「Cisco Meraki MS390」シリーズ
最新スイッチである「Cisco Meraki MS390」シリーズは、Cisco製チップを搭載した初のMeraki製品で、これまでになかった「SGT(Secure Group Tagging)」という機能を導入しているという。
このSGTは「真のセキュアを実現する鍵となるもので、ネットワークのマイクロセグメンテーションを可能にするもの。ラップトップ、モバイル、サーバーやバックエンドが、同じネットワークに載ってはいけない。これらをセグメント化し、できるだけ細かくして管理できる」とした。
そして、ネットワークをさまざまなポリシーでセグメントするVLANや、IPセグメントによって、ネットワークは複雑化され、それによりセキュリティを達成していた。このスイッチで初めて、複雑化させることなく、接続タイプにも左右されずに適用できる『アダプティブポリシー』を利用可能になる」とし、「非常に重要なリリースと考えている」と述べた。
併せてリリースする「Cisco Meraki MG21/21G」は、LTEネットワークに対応したセルラーゲートウェイだ。「インターネット回線がない拠点での接続をサポートするほか、冗長性を保つ2次回線としても利用できる」とし、「5Gの成長などにより、WWANがプライマリーネットワークとして使われるようになると、信頼性が重要になる。今後は何万ものユーザーが使っていくことになる」との見方を示した。
多様なデバイスをシンプルに一元管理できる「Meraki」シリーズ
クラウド管理ソリューション「Cisco Meraki」シリーズ全体については、「さまざまなデバイスをシンプルに管理できるダッシュボードが差別化要因で、5000人が150カ所か1カ所かで、拠点数が多ければより価値が増す」と述べた。
管理対象のデバイスは、セキュリティアプライアンスとスイッチ、モバイルデバイス、スマートカメラなどで、ナイチンゲール氏は、「ダッシュボードのカギは1つだけでなく全体を管理できることで、月次で50万以上のアクティブユーザーがダッシュボードへログインしている」と述べ、「IT管理全体が繋がってシンプルに使えることで、操作ミスなどのエラーも最小化できる」とした。さらに、AIなどの技術によりコンフィグを最適化できるという。
MerakiシリーズのWi-Fi 6対応アクセスポイントや、監視カメラも出荷
監視カメラのMV32は、180°をカバーできる魚眼レンズを搭載した製品で「カメラだけを導入すれば、記録用デバイスや特別なコンテンツ管理を行うDVRや、AIのアルゴリズムのための巨大なサーバーなどのデバイスは不要」とした上で、「ビデオはカメラに記録され、ブラウザーがあれば世界のどこにいても今起きているかを確認できる」とした。
Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)のアクセスポイントについては、「スイッチに接続するだけでコンフィグなどが自動で最適化されて使い始められる。11acのアクセスポイントと同じ形で管理できて、よりセキュア」とし、さらに「重要な次世代規格でもあり、来年早々により多くの製品を提供予定」とした。
このほか、「最高峰のVPNテクノロジーであるAnyConnectを今年度末までにMerakiに実装する」ことも表明した。