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「一太郎2021」2月5日発売、ワープロ文書も「游書体」中心のスタイルで現代的に

上位版には「筑紫書体」「UDフォント」計17書体も収録

 株式会社ジャストシステムは、日本語ワープロソフトの最新バージョン「一太郎2021」を2021年2月5日に発売すると発表した。希望小売価格は2万2000円(税込)。Windows 10/ 8.1に対応する。上位版パッケージとして、「筑紫書体」「UDフォント」計17書体やグラフィックソフト「花子2021」、音声読み上げソフト「詠太11」などもバンドルした「一太郎2021 プラチナ」も4万1800円(税込)で発売する。いずれのパッケージにも、日本語入力ソフトの最新バージョン「ATOK for Windows 一太郎2021 Limited」が付属する。

「現代的な文書」デザインへ対応、「游明朝」「游ゴシック」中心のスタイルに

 文書のスタイルやデザインを見直し、「現代的な文書」への対応を図ったとしており、まず、フォントの初期設定を、読みやすく印字品質が高い「游明朝」に変更した。

 また、文書のタイトルや見出しなどのデザイン・フォント・色などを一括設定できる機能「スタイルセット」や、サンプルの中から選ぶだけで目的・用途別に文書のレイアウトを自動的に整えられる機能「きまるスタイル」においても、使用するフォントを「游明朝」「游ゴシック」中心に変更。これらデザイン・配色を一新したスタイルセットも10点追加している。

 ジャストシステムによれば、ワープロ文書はあくまでも紙に印刷されることを想定して作成されるものだが、近年では画面上で閲覧するだけで、実際に印刷される文書が少なくなっていることも、OSのUIなどでも使われ画面上での視認性が高い游書体をベースにした理由だという。

 そのほか、「UD デジタル教科書体」を採用した学校向けのきまるスタイルとテンプレートも提供し、プリントなど学校でよく利用される文書を手早く作成できるようにした。きまるスタイルには新たに「教材」カテゴリーを追加して60点を収録。教育現場でよく作成される文書のテンプレートも、新たに42点追加した。

著作権に配慮、「引用」「出典」の作法を自動化

 他の文書から文章をコピーして引用する場合、「引用して貼り付け」機能において、1)文章内にカッコで括って挿入、2)前後に空行を入れて2文字インデントして段を落として挿入――の2通りから選択することで、作法に則って引用部分を挿入できるにした。ウェブページにある文章を貼り付けて引用する場合には、出典としてURLや参照日も自動入力できる。

 そのほか、文献の種類などによってルールがある出典の記載についても、ダイアログボックスに必要な項目を入力するだけで、斜体やハイパーリンクなどが設定された状態で適切に挿入できるという。

「文書校正」機能を強化、ビジネス文書でよくある間違いや不適切な言い回しを指摘

 「ご担当者様各位」などの「ビジネス文書によくある間違い」、「ご利用できます」といった「ビジネス上、不適切な言い回し」、文書中に口語表現が使われているなど「注意が必要な表現」という3つの観点から誤用を指摘し、訂正候補を提示する。さらに、「だ・である」「です・ます」の文体統一チェックや、企業名の前株と後株が間違っている場合に指摘して訂正候補も提示するようにした。

メモアプリ「一太郎Pad」との連携を強化

 前バージョンの「一太郎2020」から提供を開始したAndroid/iOS向けメモアプリ「一太郎Pad」との連携機能を強化し、一太郎2021と一太郎Padの間で文書を双方向に送受信できるようにした。これまでは、一太郎Padで作成したテキストデータを一太郎2020に送信し、PC上で文書を編集できるようになっていたが、逆に一太郎2021で作成した文書を一太郎Padに送って作成作業をできるようにしたものだ。

 テキストデータをやりとりするにあたり、見出しのスタイルの設定を扱うための機能を搭載。一太郎2021で「段落スタイル」を使って設定した大見出し・中見出しは、一太郎Padでは識別記号「#」「##」が自動的に付加される。逆に、一太郎Padで、大見出し・中見出しの文頭に「#」「##」を付与することで、一太郎2021に送信した際に見出しとして認識され、「スタイルセット」を利用して見栄えのよい文書に素早く仕上げることができるとしている。

 このほか、一太郎2021の「テキスト補正」機能において、OCR処理したテキストに生じがちな不要な改行の一括削除に対応した。

「一太郎Pad」の編集機能を強化、文字数のカウントが可能に

 一太郎Padにおける編集機能も強化した。見出しの識別記号である「#」「##」や丸括弧、二重カギ括弧を「省入力ツール」から簡単に入力できるようにしたほか、三点リーダ(……)や現在日時入力など、ユーザーがよく利用する組み合わせを選べるよう、省入力ツールにボタンセットを5種類用意した。

 要望が多かったという、入力した文字数を表示する機能も追加。また、iOS版では、一太郎Padから4種類の文字サイズを選択可能になった(Android版では、OSの設定を使用)。

「一太郎2021 プラチナ」には「筑紫書体」「UDフォント」計17書体を収録

 上位版パッケージの「一太郎2021 プラチナ」では、フォントワークス株式会社のフォント「筑紫書体」11書体と「UD フォント」6書体をバンドル。両フォントともに、明朝体、角ゴシック体、丸ゴシック体を収録している。また、これらのフォントを使用したスタイルセットも新たに10点搭載する。

 グラフィックソフト「花子2021」では、必要な項目を入力するだけで簡単にQRコードを作成できる「QRコード作成機能」を新たに搭載。また、47都道府県別のピクトグラムを3点ずつ収録したほか、プログラム、タイムテーブル・日程表、ランキング表、チャート図のイラストを多数、新たに追加するなど、学校・地域行事のためのチラシ作成が手軽に行えるとしている。

 HOYA株式会社の音声合成エンジンを採用した音声読み上げソフト「詠太11」では、日本語男性話者として1名を追加。話者5名のうち男性話者が2名に増えたことから、男性話者による文章の読み分けも可能になった。