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長野県観光機構とAirbnbがパートナーシップ締結、ポストコロナを見据え「関係人口」創出を推進

若者に新しいライフスタイルと長野県の魅力を発信。地域の課題解決に向けた取り組みも

長野県観光機構とAirbnb

 長野県内の観光振興事業を推進する一般社団法人長野県観光機構と、民泊事業を運営するAirbnb Japan株式会社は24日、ポストコロナを見据えて同県内の観光や体験を推進するパートナーシップを締結した。コロナ禍で弱まった「人と人との繋がり」への需要が高まる中で、地域コミュニティとの関係人口の創出を推進するとしている。

 新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年以降、近くに自然がありWi-Fiなどの仕事環境も整った施設でワーケーションのため長期ステイを行う傾向、大都市に近いエリアの宿泊施設が利用される傾向が強くなっているという。このような背景から、本パートナーシップが実現した。

 Airbnbは、日本でも「ミレニアルズ世代」「Z世代」と呼ばれる若者の利用が多い。Airbnbの良質なホスト(宿泊先提供者)を育成し、健全な民泊の普及啓発を行うことで、若者を中心としたゲストと長野県の地域コミュニティの交流を促進。「暮らすように旅する」というAirbnbが提唱する旅行スタイルを通じた、新しい観光需要の創出を共同で目指す。

 具体的な取り組みとしては、ポストコロナの新しいライフスタイルと、長野県の魅力を若者に向けて発信する。Airbnbの公式サイト内に長野県の特設サイトを開設するほか、「包括連携記念」のオンラインイベントを6月9日に開催することを計画。また、ホストのコミュニティ間の連携支援も行っていくとしている。

Airbnbの特設サイトより

 Airbnbユーザーとともに、長野県の観光資源の有効活用や地域観光への貢献、地域の課題解決にも取り組んでいく。有名観光地以外でも「何もしない贅沢」のように地域の日常を体験する魅力を打ち出していくとし、県南部の天竜川流域に位置する伊那谷エリアの空き家再生、および、県北部の須坂市にある峰の原高原のペンション再生への取り組みを、6月中に開始する予定だ。

 このパートナーシップに関して、長野県観光機構の野原莞爾理事長は「人口減少、高齢化、空き家対策などの時代の流れの中、観光面でも高い可能性を有する長野県において、特に若年層を中心としたゲストと地域の人々、コミュニティが繋がることによる心の通い合う新しいスタイルの観光需要創出を共同で目指していきたいと考えています」とコメントしている。

 Airbnb Japanの田邉泰之代表取締役は「長野県は日本国内でも特に魅力的な県の1つとしてゲストの人気も高く、ホストコミュニティの活動が盛んな地域です。一時的な旅行先としての訪問によって生まれる『交流人口』から、多様な人材交流を創造する『関係人口』の拡大と長野県の観光に貢献していきたいと考えています」としている。

Airbnb Japanの田邉泰之代表取締役(左)と長野県観光機構の野原莞爾理事長(右)