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長野県立科町、自然に囲まれて「開発合宿」してみたい企業を募集、1泊2日の宿泊費が無料に

 長野県立科町は、「立科 WORK TRIP」のモニター参加者を募集する。宿泊したペンションやプチホテルがそのままワークスペースとして利用できるよう各種設備を用意しており、企業の部署やプロジェクトチームなどによる「開発合宿」や「オフサイトミーティング」「企業研修」「ハッカソン」に活用してもらうのが狙いだ。実施期間は9月中旬~11月上旬で、モニター参加者は1泊2日の宿泊費(夕食・朝食付き)が無料になる。応募の締め切りは9月18日。

「立科 WORK TRIP」ポータルサイト

 立科町は、蓼科山周辺の白樺湖や女神湖、蓼科牧場といった観光スポットが点在する高原リゾートエリアを擁しており、「日常から離れ、大自然に囲まれた環境は作業に集中しやすく、宿泊体験や野外アクティビティはチームビルディングに最適。自然と想像力が掻き立てられ、チームでクリエイティブな時間が過ごせる」としている。

Wi-Fi、プロジェクター、ホワイトボードから付箋まで宿に用意

 立科 WORK TRIPに対応している宿泊施設は、白樺高原などにある7つの施設で、収容人数は最大10名~80名規模。参加人数や利用目的などに応じて、一般社団法人信州たてしな観光協会のコーディネーターが提案する。Wi-Fiはもちろん、プロジェクターやスクリーン、PC、ホワイトボード、付箋などが無料で利用でき、「チームで宿泊して働くかたちの新しい研修が、下準備の手間なく手軽に体験できる」という。

 今回募集するモニターは、3名以上のチーム(部署またはプロジェクトメンバーなど)×2組。応募者の中からオンライン面談を実施して決定する。宿泊費が無料となるのは、1組あたり5名分まで。また、現地までの交通費や、滞在中に楽しむアクティビティは自己負担となる。

 なお、参加者に対しては、新型コロナウイルス感染症対策として、マスクの着用、アルコール消毒、ソーシャルディスタンスの確保などの協力を求めている。一方、各宿泊施設でも感染防止対策をとっているが、ペンションを利用する場合は、小規模な宿泊施設のために、10名以上または平日なら貸切利用になることが多く、感染のリスクも小さくなると町では説明している。

開発合宿には不可欠? コンビニ買い出しの送迎に対応する宿も

 立科町では、住民がトレーニングを積んだうえで「住民ワーカー」として仕事をこなしていく「雇用創出型テレワーク」と、町外の企業に来てもらう「企業誘致型テレワーク」という2つの側面から、テレワークの推進事業に取り組んでいる。いずれも、テレワークに親和性の高い企業との接点を作る必要があることから、町の「移住体験住宅」を無料を使って2週間~数カ月間のテレワーク体験ができる「おためしテレワーク」といった事業も実施している。

 立科 WORK TRIPも同様に、テレワークを実践している企業に対し、同町のテレワーク推進事業を訴求するために展開しているものだ。プログラマー/システム開発者やIT業界の中で認知されている「開発合宿」や「ハッカソン」といった用途にターゲットを絞り、その開催誘致を図ることを目的に2018年、信州たてしな観光協会と連携してスタートした。

「立科 WORK TRIP」に対応している宿泊施設の1つ「ペンションウィンズ」。女神湖近くに立地

 町内にはすでにリゾート地の宿泊施設やアクティビティなどの魅力的な観光資源があるため、立科 WORK TRIPの事業を開始するにあたっては、開発合宿に必要な機材と専用ポータルサイトを町が用意することで、きわめて少ないコストで事業を開始できるとの判断もあったという。宿泊施設にとっても、開発合宿の専用プランや付属オプションを設け、その情報をウェブサイトに掲載するだけでいいため、この事業に参加するハードルも低いとしている。

 なお、町では事前に宿泊施設のオーナーへのレクチャーも行い、「開発合宿とはどういうものか」「利用者にどのようなニーズがあるのか」などを説明。これを受け、コンビニまでの送迎プランやコーヒーサービスなど、開発合宿に対応する独自の追加オプションを設けた施設もあるという。

「立科 WORK TRIP」の様子・実施企業の声(2020年1月に実施したときのもの)

 モニター参加の申し込みは、立科 WORK TRIPポータルサイトの応募フォームから受け付ける。当モニター企画についての問い合わせは、立科 WORK TRIP広報事務局(受託企業:株式会社共立プラニング、メールアドレス:kp00183@kyoritz-p.co.jp)まで。