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「ワクチン無料予約受付中です」と不正アプリのインストールへ誘導、不審なSMSに注意

新型コロナワクチン接種予約を装ったフィッシング詐欺

 一般社団法人日本サイバー犯罪対策センター(JC3)は27日、新型コロナウイルスのワクチン接種に関する案内を装ったSMSが確認されたとして、情報を公開した。

 SMSの文面は、新型コロナウイルスワクチンの予約のため、アプリをインストールするよう要求する内容となっている。

 新型コロナウイルス予防ワクチン無料予約受付中です、アプリインストールしてください。

(JC3の注意喚起情報より)

SMS文面(JC3の注意喚起情報より)

 誘導先として、Androidの場合は不正アプリをインストールさせるウェブサイトが確認されている。同アプリをインストールすると端末が不正なSMSの配信基盤となってしまい、連絡先に登録している友人などにフィッシングのメッセージを知らない間に送信してしまう可能性がある。なお、iPhoneの場合は、ポップアップの表示からフィッシングサイトへ誘導されるケースが確認されている。

Androidでリンク先にアクセスした際に表示される画面(JC3の注意喚起情報より)

 新型コロナウイルスに便乗した悪質なネット犯罪は、以前から多数確認されている。例えば、2020年10月には総務省の特別定額給付金のオンライン申請を装い、本人確認書類のアップロードを要求することで、個人情報を詐取しようとするフィッシングサイトが確認された。(2020年10月16日付関連記事「給付金2回目支給? 総務省をかたる偽通知メールに注意」参照)

 また、保健所の関連組織をかたり「国内でも〇〇県で感染が報告された」などとして、不正マクロが含まれたWord文書を開かせようとする不審なメールが拡散され、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)やトレンドマイクロは注意を促していた(2020年2月3日付関連記事「『新型コロナウイルス』に便乗、保健所をかたる不審なメールが拡散中」参照)。

 JC3は、銀行・通信事業者を装うフィッシングサイトなど、ウェブサービスを利用するためのアカウント情報を不正に取得するフィッシングサイトに誘導される可能性があるとして、リンクをタップしないよう注意を呼び掛けている。

 また、不審なSMSに関してもこれまでにさまざまな報告があり、不在通知などを装ったSMSからフィッシングサイトへ誘導する事例が頻発している。不審なSMSに関する注意喚起として、以下の動画を公開している。

運送系企業を装ったSMSから銀行のフィッシングサイトへ誘導されるまでの流れ(Androidの場合)
運送系企業を装ったSMSから銀行のフィッシングサイトへ誘導されるまでの流れ(iPhoneの場合)