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ワーケーションを導入している企業は3.5%…「月刊総務」調べ
2021年6月7日 18:02
株式会社月刊総務は、「ワーケーションに関する調査」の結果を公表した。ワーケーションを理解している総務担当者は77.6%に上るが、実際に実施している企業は3.5%という結果だ。
調査は、雑誌「月刊総務」または「月刊総務オンライン」の読者の総務担当者を対象に5月19日~25日に行った。有効回答数は178件。
「『ワーケーション』とは何か知っていますか」との質問では、「よく理解している」が22.5%、「なんとなく理解している」が55.1%、「言葉は知っているが内容は理解していない」が18.5%、「言葉を聞いたことがない」が3.9%だった。
しかし、ワーケーションの実施状況は、「導入している」が3.5%、「導入を検討している」が8.8%、「導入を検討したが導入しなかった」が2.3%、「導入を検討したことはない」が85.4%という状況だ。
ワーケーションを「よく理解している」「なんとなく理解している」を合計すると77.6%に上る一方で、「導入している」「導入を検討している」を合わせても12.3%だ。ワーケーションは広く認知されているものの、実際に実施している/検討している企業は少ないのが現状だ。
「ワーケーションの導入に踏み出せない理由」として一部抜粋した意見としては、「経営者への説得が困難」「製造業なので職種によっては事実上運用できない職場があり、職種間で不公平感が生じてしまうと考える」「セキュリティリスクの問題がある」「テレワークもおぼつかない状況のため」といったものがある。
また、「どういう設備・制度があればワーケーションを導入しやすいか」との質問には、「働く場所・時間が出退勤と合わせて簡単にかつ確実に登録できる良い仕組みがあればと思っている」「仕事・成果の評価の仕方を変える必要があると思う」「Wi-Fiの設備や仕事ができるデスクや椅子が完備されている場所はまだ少ない」を挙げている。
「『ワーケーション』にどのようなポジティブなイメージがありますか」の質問には、「社員のワーク・ライフ・バランスが向上する」が59.4%、「従業員満足度が向上する」が56.5%、「テレワークが促進される」が55.1%、「地方創生や地域課題の解決につながる」が41.3%、「社員の健康増進に寄与する」が39.9%など。
その一方でネガティブなイメージもある。「『ワーケーション』にどのようなネガティブなイメージがありますか」の質問には、「仕事と休暇の線引きがあいまいになる」が67.4%、「マネジメントがしづらい」が65.9%、「労務管理が難しい」が65.2%、「ルール作りが難しい」が64.5%、「セキュリティリスクが高い」が39.9%と続いている。
月刊総務では今回の調査結果について、「ワーケーションの実施に踏み切っている企業はほんのわずかで、施策として課題や不安が多い」としている。特に「セキュリティや労務管理に対する課題」を挙げている。また、「地方のワーケーション可能な施設等の情報が不足している」との声もあるため、「ワーケーションを受け入れる自治体側の発信不足も一因と考えられる」という。