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相模原市で「リニア中央新幹線の中間駅を想定したワーケーション」の実証実験
2021年7月6日 14:45
株式会社日本能率協会総合研究所は、リニア中央新幹線の中間駅周辺で行うことを想定したワーケーションの実証実験を開始する。リニア中央新幹線が開通すると、東京・名古屋・大阪が約1時間で結ばれるという。その中間駅は、自然が多いうえに都市部への交通アクセスが良いという特徴があり、それを想定した実験だ。
国土交通省は、リニア中央新幹線が全線開通すると3大都市圏の移動時間が短縮されるため、都市が一体化し、世界中から“ヒト、モノ、カネ、情報”を引きつける「スーパー・メガリージョン」が形成されるとしている。その効果を全国に波及させる必要性があるため、「スーパー・メガリージョン構想検討会」が設置された。
ワーケーションの実証実験は、このスーパー・メガリージョン構想検討会の最終取りまとめを踏まえたもので、神奈川県相模原市緑区の藤野・相模湖・津久井地区にて実施。現在、実証実験エリアにある藤野駅までは、東京の品川駅から鉄道を利用すると移動時間は約100分だ。しかし、同区の橋本地区に設置されるリニア中央新幹線の神奈川県駅(仮称)まで品川駅から約10分のため、藤野までは約60分に短縮されるという。
このように都心からのアクセスが良くなることで、都市部の利便性が受けられるとともに、自然の中で豊かな生活が送れるとしている。また、首都圏内の人材との対流を促す新しい場や仕組み、リニア中央新幹線の中間駅における多様な地域資源との交流が生まれるというメリットがある。
実証実験の期間は7月19日~11月30日で、実施場所は藤野・相模湖・津久井地区の宿泊施設。参加できるのは、企業のほかに、個人事業主、一般社団法人、一般財団法人などで、受付は11月12日までとなっている。
ワーケーションの内容は参加者と話し合って個別に決定するが、「地域の特性を活かした独自の体験」と「新しい事業やビジネスの創出」の2つをテーマにしている。
具体的には、地域の特性を活かした独自の体験では、普段とは異なる環境で仕事をすることで生産性やモチベーションが向上。家族も参加できるため、休日は一緒に参加し山菜採りや魚釣りが楽しめるが、仕事中は家族は別のプログラムに参加する。
もう1つの新しい事業やビジネスの創出では、ワーケーションを実施する地域の先進的な活動を共同で進めることで、マーケティングや事業開発、ワーカーの副業や起業につなげることを視野に入れるという内容だ。
ワーケーションを実施する宿泊施設は、民宿、旅館、コテージなどさまざまな形態から選べる。また、音楽ホールがあったり、陶芸教室、釣り、遊園地、キャンプなどが楽しめたりする施設も多い。