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Cisco、Wi-Fi 6Eアクセスポイント「Meraki MR57」や、2つのIoT製品を発表
2022年4月11日 17:59
シスコシステムズ合同会社は記者向けの説明会を開催し、Wi-Fi 6Eに対応するアクセスポイント「Meraki MR57」とMeraki MTセンサーの2製品を発表した。
Meraki MR57は、80MHz幅について5GHz帯の7倍となる14を利用可能な6GHz帯を用いるWi-Fi 6Eに対応する法人向けアクセスポイントで、4月19日から提供する。2つの5GBASE-T LANポートはそれぞれPoEにも対応。BluetoothやUSBポートも搭載する。なお、日本国内では電波法の規制によって現時点では6GHz帯の利用はできない。
シスコシステムズ合同会社の脇中亮氏(Cisco Merakiテクニカルソリューションアーキテクト)は、「5GbEポートの双方がPoEに対応し、可用性をより向上している。また、筐体のデザインをCatalystと共通化し、選びやすくなった」と述べた。
脇中氏は「ソーシャルディスタンスや密の回避が経営課題になってきている」との現状認識を述べ、こちらも新製品であるEdge AIを備えるスマートカメラ製品「Meraki MV」の第2世代センサーと分析機能について、「これを活用して物理的な環境を把握するハイブリッドな世界であるスマートスペースの構築に欠かせない」とした。
センサーであるMeraki MTの新製品である「MT14」は、空気の品質をモニタリングし、アラートを通知するもので、TVOCとPM2.5のモニタリングに加え、快適性の観点から温度、湿度、騒音の監視も行える。
乾電池のみで長時間動作するため配線が不要で、省電力のため通信はBluetoothで行う。BluetoothからのIP変換はMVカメラ、MRアクセスポイントのいずれかを用いる。「デバイスで最初に使うペアリングも一切不要で、Merakiのダッシュボードで設定するだけで電池をセットしておくだけで使える」という。
なお、PM2.5のモニタリングには、電源用のUSB-C接続が必要とのことだ。
Meraki MT30は「タダのボタンだけど、ただものではないボタン」(脇中氏)。こうした製品は通常は役割が決まっているが、完全に自由で、4月12日リリース予定の「オートメーションビルダー」でさまざまな機能を割り当てられるという。
Meraki MV第2世代では、カスタマイズ可能なCV(コンピュータービジョン)モデルを構築可能な「MV Sense API」に対応。「イメージラベリングやMLモデル開発といった開発ワークフローをサポートする」とした。
そして、カメラで撮影した映像を自動で分析し、学習モデルを登録するデモを、オフィスのカウンターに置かれた紙コップが、どのくらいの時間で顧客に渡されるかを例に披露した。
脇中氏は「AIエンジニアを抱えている企業はまだ少ない。自由にモデルを登録できるといわれても、それをどう作るかが課題となる」と述べた。
Merakiは、こうした課題を想定し、専門知識がなくてもAIを活用できるようCogniacと提携。AIや深層学習に関する専門スキルなしでCVモデルを作成できるプラットフォームを提供するという。
そしてMerakiについて「IoTだけではなく、その前からネットワークセキュリティを提供しているが、こうしたトータルでの製品提供だけでなく、パートナーシップで進化を継続していきたい」と述べ、「今後も製品間、サービス間のさまざまな連携で、より高度なことを実現していただけるようにする」とした。
2006年に創業され、2012年の米Cisco買収後からでも10年のビジネス実績を持つMerakiについてシスコシステムズ合同会社の山移雄悟氏(Cisco Meraki ジャパンカントリーリード)は、「特にクラウドネットワーキングで多くのユーザーに利用されている事実が、より高い精度のフィードバックにつながっている」とした。日本国内でもこの3年で大きく成長し、新規導入企業は1万を超えたという。
山移氏は「提供するバリューの中心にユーザー体験を据えている」と述べた上で、Merakiについて「一貫してクラウドネットワーキングを使ってシンプルに導入運用してもらうか。パフォーマンス、品質だけでなく新しい評価基準を導入した」と位置づけつつ、現状について、「今ではクラウド管理型は多くの選択肢がある状況となった」とした。
そしてコネクティビティにおけるSD-WANの重要性にも触れつつ「適切に心地よくネットワークを使ってもらえるか、DXのITプラットフォームを使って成長の足掛かりしていただきたい」と述べた。