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Synology、NAS用OS「DSM 7.2」、Wi-Fi 6ルーター「WRX560」などの新製品を発表

年次イベント「Synology 2023 AND BEYOND」

 Synologyは10月27日、年次イベント「Synology 2023 AND BEYOND」を実施し、同社の新しいソリューションや製品を発表した。

「DSM 7.2」は、セキュアで共有機能が強化されたデータ管理基盤に

 NAS用OSの新バージョン「DSM 7.2」を2023年初頭にリリース予定。ボリューム全体の暗号化が導入され、共有フォルダベースの暗号化よりもストレージ性能が最大で48%向上するとしている。また、指定した期間データが変更、削除されることを防ぐ改ざん防止機能を持った「WORM(Write Once Read Many)」フォルダーが導入される。

 プライベートクラウドソリューション「Synology Drive」のアップデートにより、チーム間での共有時にウォーターマークやダウンロードポリシーを設定可能になる。リモートワイプ機能では、盗難に遭ったWindowsやmacOSのクライアントから同期ファイルを削除できるようになる。

 SMBを介したデータ共有では、Synology Driveとの間のクロスプロトコルファイルロックにより、使用中のファイルの編集や上書きをできなくする。また、SMBファイル転送の性能を大幅に向上させるという。

RT6600axを手ごろにしたWi-Fi 6ルーター「WRX560」

 Wi-Fi 6対応ルーター「WEX560」は、同社の最新ルーター用OS「SRM 1.3」を搭載し、既存のフラッグシップモデル「RT6600ax」と同等のネットワーク管理機能を、より手ごろな価格で入手可能にするという。日本では11月10日に発売の予定。

 Wi-Fiはデュアルバンドで、有線WAN/LANは2.5GbEに対応。RT6600axとメッシュを構築することも可能だとしている。

AI搭載ネットワークカメラ「Synology 500シリーズIPカメラ」

 ネットワークカメラ「Synology 500シリーズIPカメラ」を、2023年初頭に発表予定。同社製の監視カメラ管理プラットフォーム「Surveillance Station」から直接管理でき、エッジAIにより録画サーバーのリソースを解放可能で、より大規模なAI監視システムが構築できるとしている。また、専用の処理により人や車両の検知を高速化できるという。

 2種類の製品が予定されており、500万画素で最大2880×1620ドット/30fpsの映像を撮影可能。IP67準拠の防塵防水性能を備え、PoEによる給電をサポート。米国のNDAA(国防権限法)およびTAA(通商協定法)にも準拠する。

「Active Backup」「C2 Backup」のシームレスな管理プラットフォーム

 バックアップソリューション「Active Backup」および「C2 Backup」の新しい管理プラットフォームでは、場所や規模を問わずに組織のITインフラ全体にわたるバックアップタスクをシームレスに管理・展開・監視できるようにする。オンプレミスとクラウドのソリューションを1つにして、あらゆるデバイスやサービスを保護し、タイムリーに復旧させる効率性の高いツールを提供するとしている。

「Active Insight」「C2 Identity」の信頼性と管理性能を向上

 NAS監視プラットフォーム「Active Insight」では、データ保護ルールに違反するユーザーの行動を自動的に防止できるようになる。また、新しいデータ漏洩防止機能では、アップロードや共有されるファイルのチェックサムを比較しながら、ログイン、ファイルアクセス、共有タスクの作成といったユーザーの行動を監視する。

 そして、しきい値やルール設定により問題と判断された場合、警告を発したり、ランサムウェアの感染が疑われるクライアントの接続を切ったりといったアクションが可能になる。

 複数拠点のデバイスやクラウドサービスを一元管理できる「C2 Identity」プラットフォームでは、オンラインとローカルのサービスおよびデバイスへのパスワードレスログインを可能にする。また、Windows HelloやAppleのFace ID、Touch IDとの統合により、C2 Identityで管理されるエンドポイントでの認証を簡素化する。

 今後リリース予定のC2 Identityのユーザーポータルと組み合わせることで、管理対象のエンドポイントを使用する社員は、SAMLをサポートするウェブサービスに自動的にサインインできるようになる。一方で、機密性の高いサービスに対しては二要素認証を有効化することもできるとしている。