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宮崎県日向市、短歌だけでお相手が探せるマッチングサービス「ヒュー!日向 マッチング短歌」開始

「ヒュー!日向 マッチング短歌」特設サイト

 宮崎県日向市は11月4日、“短歌”によるマッチングサービス「ヒュー!日向 マッチング短歌」を開始した。一般的なマッチングサービスと異なり、顔写真や自己紹介は不要。恋人や友達、パートナーのお相手を、短歌だけでマッチングさせるとしている。提供期間は12月27日まで。

 ヒュー!日向 マッチング短歌の特設サイトで短歌を投稿すると、無記名で同サイトに掲載されるほか、Twitterに「#マッチング短歌」のハッシュタグが付けられて投稿される。その短歌への返事である“返歌”が投稿されると、マッチングが成立する仕組み。

「ヒュー!日向 マッチング短歌」の流れ
短歌は縦書きで表示される

 マッチングした短歌・返歌の中から、アドバイザリーを務める歌人の枡野浩一氏と天野慶氏が「ベストカップル賞」を選出。また、返歌を最も多く受け取った人に「モテ賞」が贈られる。

 ベストカップル賞受賞者を含むマッチングした人およびモテ賞受賞者の中から5組10名を、2023年2月11日に日向市の若山牧水生家にて開催する「マッチング短歌 交流会」に無料招待。日向市の宿泊券1泊分と往復航空券をプレゼントする。マッチングしたカップルはここで初めて出会うことになり、投稿した短歌を詠んだり、日向市の特産物によるおもてなしを楽んだりできる。

「マッチング短歌 交流会」が開催される若山牧水生家

 そのほか、マッチングしなかった人の中から抽選で1名に、日向市への「傷心旅行」として、任意の日の日向市の宿泊券1泊分と往復航空券がプレゼントする。

 漫画「ちはやふる」へ短歌を提供するなど様々なメディアで短歌の魅力を伝えている天野氏は、「五感を研ぎ澄ませて、歌の向こうの『あなた』のことを考えて、歌を詠む。SNSでコミュニケーションを取るようになった『令和』に暮らすわたしたちならではの、わずか31音の『誰かとの出逢い』がはじまる」とコメントしている。

枡野浩一氏
天野慶氏

 日向市の十屋幸平市長は今回の企画について、「若者を中心にTwitterなどでの短歌投稿がブームになっていること、また、コロナ禍のなか手軽に利用できるマッチングアプリが流行していることに着目し、『短歌とマッチングサイトが融合したものを作ってみよう』という発想から生まれたもの」としている。

 日向市は、戦前に活躍した歌人・若山牧水の生まれ故郷であり、毎年、短歌甲子園が行われている地。一方、平安時代には、短歌は初対面の前に贈り合う自己紹介ツールでもあったという。ヒュー!日向 マッチング短歌の企画には、このような文化的背景がある。

源氏物語絵巻
JR日豊本線・日向市駅