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国内初の“クアッドバンド”Wi-Fi 6Eメッシュ、ネットギアがフラグシップの「Orbi 9」を発表

Wi-Fi 6E対応の「Nighthawk RAXE500」も発表

 ネットギアジャパン合同会社は11月24日、Wi-Fi 6E(6GHz帯)に対応するクアッドバンドメッシュWi-Fiシステム「Orbi 9 RBKE963」、同じくWi-Fi 6E対応のトライバンドルーター「Nighthawk RAXE500」を発表した。会場は東京都港区、東京タワー内のeスポーツ施設「RED° TOKYO TOWER」。

専用バックホールを強化し、6GHz通信に対応

 設立から26周年を迎え、米国におけるネットワーク機器のシェア1位を誇るネットギア。発表された「Orbi 9 RBKE963-100JPS」は、同社製Wi-Fi 6E対応メッシュシステムのフラグシップモデルという位置づけで、直販価格は27万5400円(3台セット価格)と、メッシュWi-Fiシステムとしてはかなりの高価格帯となる。大きな特徴といえるのが、国内市場では初めてとされるクアッドバンドへの対応だ。

「Orbi 9 RBKE963」のルーター(親機)。セットのサテライト(子機)と接続することでメッシュネットワークを構築する

 「Orbi 9 RBKE963-100JPS」のクアッドバンドは、その名の通り通信速度4804Mbps、2402Mbps、2402Mbps、1147Mbps(いずれも理論値最大)の4つの周波数帯を利用する。このうち5GHz帯(2402Mbps)の1つをサテライト(子機)との接続専用のバックホールに割り当てており、複数のサテライトを経由した場合でも十分な帯域を利用できるのが大きなメリットだ。

 加えて、新たに混雑の少ない6GHz帯(4804Mbps)に対応。従来モデル「Orbi 8」はトライバンドで専用バックホールに対応していたが、シンプルに利用できる周波数帯が増えたこともあり、さらに高い速度・安定性を実現。ストリーム数は周波数帯ごとに4ストリーム、合計16ストリームだ。

丸みを帯びた細長い外観がユニーク。設置面積が小さく、置き場を選ばない設計

 発表会に登壇したネットギアジャパン合同会社 マーケティングの添田絢也氏は、専用バックホールのメリットについて「非専用(共有)バックホール設計では、デバイスを接続していくことで帯域が圧迫され、末端に近いサテライト側の速度がどんどん低下してしまう“流しそうめん”現象が起こってしまう。専用バックホールはルーター(親機)とサテライトを専用帯域で接続することで、サテライト側でも速度を落とさず快適な通信速度を実現する」と解説する。

ネットギアジャパン合同会社 マーケティングの添田絢也氏
帯域の1つを専用のバックホールに割り当てることで、サテライトからでも安定した接続を実現しやすくなるメリットを解説した

 本体の丸みを帯びた印象的な外観は、従来モデルを踏襲。独自設計のアンテナを1台あたり12本内蔵し、最適なポジションに配置することで従来モデルに比べ5GHz帯のカバー範囲が30%改善しているとのこと。1台あたりのWi-Fi通信カバー範囲は従来機が最大約175m 2 であったのに対し、本製品は最大約279m 2 と、およそ100m 2 の拡大を実現した。また、推奨接続台数も最大48台から最大200台と大きく増加している。

 ルーターの本体背面には10ギガビットWANポート×1、2.5ギガビットLANポート×1、ギガビットLANポート×3を備える。サテライト側にも2.5ギガビットLANポート×1、ギガビットLANポート×3を用意しており、ルーターとサテライトをLANケーブルで有線接続することで2.5Gのイーサネットバックホールを構築可能。障害物が多い環境でも、安定した接続を確保できる。本体重量は1台あたり約1360g。

従来モデル「Orbi 8」とのスペック比較表。バンドが1つ増えたことに加え、接続範囲と推奨台数が著しく増加しているのが分かりやすい
ルーターは背面に10ギガビットWANポート×1、2.5ギガビットLANポート×1、ギガビットLANポート×3を配置。サテライトとの有線接続で2.5Gのイーサネットバックホールを構築できる
本体カラーが異なる「ブラックエディション」も近日発表予定

 そのほか、スマートフォンやPCなどのデバイスで利用できるセキュリティサービス「NETGEAR Armor」の30日間無料トライアルが付属。メッシュシステムへの接続時だけでなく、外出先や公共のWi-Fiに接続した場合でも、アプリをインストールしてあるデバイスならセキュリティを有効化して情報流出を防げるとのこと。なお、年間サブスクリプションは8990円となる。

 ハードの保証期間は3年間。セットは親機1台、子機2台の計3台だが、1台9万9800円のサテライト(RBSE960-100JPS)を追加導入していくことで、ネットワークのカバー範囲をさらに広げることができる。

 添田氏は価格設定について、「弊社が26年間培ってきた最新技術を詰め込んだ新世代のWi-Fiメッシュシステム。最高級の値段になってはいるが、特にアンテナの技術は他の会社では真似できない。すでにWi-Fiは生活必需品だと考えているが、24時間利用するものに投資を惜しまないユーザーはいると考えている」と自信を見せる。

Wi-Fi 6E対応トライバンドルーターの「Nighthawk RAXE500」も発表

 「Nighthawk RAXE500」は、動作クロック1.8GHzのクアッドコアCPUを搭載するWi-Fi 6E対応トライバンドルーター。通信速度4804Mbps、4804Mbps、1147Mbpsの3つの周波数帯を利用可能で、推奨接続台数は60台。翼のような側面部分には8本のアンテナを内蔵しており、ユーザーが調整することなく広範囲に電波を届けられるという。ポートは2.5ギガビットWAN/LANポート×1、ギガビットWANポート×1、ギガビットLANポート×4。

「Nighthawk RAXE500」。こちらは発表があったものの、発売日・価格は未定
ウィング部分に8本のアンテナを内蔵する
ポート類のほか、2つのUSBポートを備える

 保証期間は3年間。スマートフォンからルーターのセットアップや設定が可能なNighthawkアプリを無料で利用できるほか、セキュリティサービス「NETGEAR Armor」の30日間無料トライアルも利用可能。こちらは現時点では発売日・価格ともに調整中とのことだ。