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オカムラが新オフィス「We Labo」公開。求められる“仕事以外のコミュニケーション”を促す場所
フリーアドレスの電源はポータブルバッテリー、実験的に「週3日の出社」で運用
2022年12月15日 08:50
株式会社オカムラは、同社が首都圏の本社本部として位置付ける「HEADQUARTERS OFFICE」をリニューアルし、新たに「We Labo」としてオープンした。8月よりすでに運用を開始しており、12月12日より完全予約制で顧客企業に公開する。一般公開に先立って12月8日、報道関係者向けの内覧会が開催された。
オフィスの至る所に充電された「ポータブルバッテリー」、自然の風を再現する「ウィンドユニット」も
We Laboの前身となるHEADQUARTERS OFFICEは、首都圏でのメインオフィスとしての機能を集約したオフィスとして2021年1月より稼働。ホテルニューオータニ ガーデンコート内にある同社のショールームと組み合わせた訴求を目的として、同じガーデンコートのオフィス区画である24階・25階・26階をHEADQUARTERS OFFICEの場とした。
一方、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワークの普及により、オフィスワーカーの働き方も変化が続いており、オフィス出社とテレワークを組み合わせた“ハイブリッドワーク”が広がっている。こうした働き方の多様性に合わせてオフィスの機能や使い方も変わっていることに加えて、仕事以外のコミュニケーションを促す場所としてもオフィスが求められているとの考えから、オカムラでは「We Labo」へのリニューアルに至ったという。
WeLaboの理念は「私たち」を表す「We」と「自分らしさ」を表す「Identity」を組み合わせた「Wedentity」という造語。この「We」はオカムラ社員だけでなく顧客や関係会社なども含み、職種、地位、世代、ジェンダーなどの違いを力に変え、個性と個性がつながり合うことを目指しているという。
3つのフロアは、26階が肩書きを超えた活発なコミュニケーションを行う「EYES 伝統と未来を見つめる目」、25階が働き方の多様性を引き出す「EARS 時代と人々の声を聴く耳」、24階が「HANDS モノとコトを生み出す手」というコンセプトで構成。社長や役員のほか総務など一部の業務を除いて席はフリーアドレスになっており、電源はオフィスの至る所で充電されているポータブルバッテリーを持ち歩くという運用になっている。
実験的に「週3日の出社」で運用。490名に対して88%の席を用意
We Laboに勤務するのは社長や役員のほか、人事、経営企画などコーポレート系、スペースデザイナーやプロダクトデザイナーなどデザイン系、製品企画などマーケティング系、海外営業部など約490名。出社については週3日出社が原則として定められており、約490名に対して約88%の席が用意されているという。490名に対して比較的多い座席数だが、これは出張などで訪れる社員などを受け入れるために余裕を持って設計したという。
新型コロナウイルス感染症による、いわゆるコロナ禍が始まったばかりのころはオカムラも完全リモートワークとしてオフィスへの出社を控えていたが、その後は部門ごとにオフィス出社の日数を判断。現在の原則3日は数カ月前からの運用だが、これもあくまで実験的な日数だという。
リモートで会うだけではアドレナリンが出ない
オカムラの奥出雄一氏(働き方コンサルティング事業部 スペースデザイン一部 部長)は自身の業務分野を例に挙げ、「デザインはリモートワークではつながらない部分が多い」と説明。「リモートで会うだけではアドレナリンが出なくて、チームビルディングのスタートがうまく切れない」との経験を踏まえたうえで、「プロジェクトをスタートするときはチームでオフィスに出社してもらうと、仕事がうまく進んで結び付いてくる。今のところは週3くらいの出社がバランスがいいと考えている」とリモートワークへの考え方を示した。