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4割強が「移住を検討する可能性あり」、Job総研が調査結果から人口移動の活発化を予想

 株式会社ライボの調査機関「Job総研」は2月13日、「2023年 地方移住の意識調査」の結果を公表した。

 この調査は、全国の20~50代の会社員を対象に、1月20日~23日にインターネット上で行ったもの。有効回答数は874人。

約6割が地方移住に「興味あり」

 地方移住に対する興味について尋ねたところ、「とても興味がある」が17.8%、「興味がある」が17.6%、「どちらかといえば興味がある」が24.4%、「全く興味がない」が14.5%、「興味がない」が12.8%、「どちらかといえば興味がない」が12.9%という結果に。

 年代別に「とても興味がある」「興味がある」「どちらかといえば興味がある」と答えた割合の合計をみてみると、30代が63.1%で最多回答になり、次いで40代が62.6%、20代と50代が同率で57.1%という結果になった。

地方移住への興味度(全体および年代別)

地方は首都圏よりも「居住費が安い」ことに魅力

 地方移住に興味があると回答者した522人にその理由を聞くと、「首都圏よりも居住費が安い」が61.1%で最多回答になり、次いで「転職をせずに地方へ引っ越しができる」が55.0%、「自然の中で生活できる」が41.0%、「自治体の支援が受けられる」が22.4%、「仕事に集中できそう」が15.1%という結果になった。

地方移住に興味がある理由

地方移住の検討経験者は約2割だが、今後は4割強が「検討の可能性あり」

 地方移住を検討した経験の有無を聞くと、「経験あり」が22.3%、「経験なし」が77.7%という結果に。

 また、今後検討する可能性があるかについては、「とてもある」が10.0%、「ある」が10.2%、「どちらかといえばある」が24.5%、「全くない」が16.2%、「ない」が21.9%、「どちらかといえばない」が17.2%という結果になった。

地方移住を検討した経験、今後検討する可能性

 Job総研では、「検討可能性がある」と回答したのは4割強という結果から、今後は地方移住による人口移動が少なからず増加していくことを予測している。

移住のハードルは「環境変化」や「移住費用」

 地方移住を検討する上での具体的なハードルについて聞くと、「環境が変化することへの抵抗」が35.9%で最多回答になり、次いで「移住にかかる費用」が35.2%、「地方での生活がイメージできない」が30.8%、「家族の仕事の関係」が27.3%、「家族の同意」が25.1%、「子供の転校が生じること」が18.8%、「現在東京に持ち家なこと」が14.8%という結果になった。

地方移住のハードルになっていること

6割以上が移住支援金を「知らない」と回答

 自治体の打ち出す移住支援金について知っているか尋ねたところ、「名称も内容も知っている」が12.6%、「名称のみ知っている」が17.3%、「内容のみ知っている」が5.1%、「名前も内容も知らない」が65.0%という結果になった。

 また、内容を知ったうえでの魅力について聞くと、「とても魅力を感じる」が11.2%、「魅力を感じる」が20.1%、「どちらかといえば魅力を感じる」が29.2%、「全く魅力を感じない」が14.3%、「魅力を感じない」が11.8%、「どちらかといえば魅力を感じない」が13.4%という結果に。

移住支援金の認知と、移住支援金の内容に魅力を感じるか

 約6割の回答者が地方支援金に対し「魅力がある」と回答していることからも、移住に対するハードルが下がることで検討しやすくなり、今後の地方移住が増加していくのではとJob総研では予測している。

働きやすいのは「テレワーク」との回答が6割以上

 現在の働き方を尋ねたところ、「フルリモート」が25.0%、「テレワークが多め」が33.9%、「フル出社」が3.9%、「出社が多め」が37.2%という結果に。また、働きやすいスタイルについては「断然テレワーク」が34.1%、「どちらかといえばテレワーク」が28.9%、「断然出社」が15.9%、「どちらかといえば出社」が21.1%という結果になった。

2023年の働き方と、テレワークと出社ではどちらが働きやすいか

 また、地方移住に対する意見を自由記述で聞いたところ、「期間限定で地方で仕事するお試しなどがあると検討しやすくなる」「会社の理解があれば地方移住を検討できるし仕事選びの選択肢も広がる」などの肯定的な意見があった。一方、「環境が大きく変わることに対するストレスや不安があり気乗りしない」「都会の利便性になれてしまうと地方暮らしは想像できない」といった否定的な意見もみられた。

 今回の調査結果から、Job総研では、テレワークが今後さらに定着し、フルリモートワークが可能な職種や企業がさらに増加すること、また自治体ごとの移住支援の認知が高まることで地方移住を検討しやすくなり、人口移動が活発化することも考えられるとしている。