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誹謗中傷ホットラインが2022年の活動を報告、「特定誹謗中傷情報」の67%を削除
2023年4月3日 14:00
一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)は、2022年の「誹謗中傷ホットライン」の活動報告を公開した。
同ホットラインは、インターネット上で誹謗中傷の被害にあった個人からの相談を受け付け、国内外のコンテンツ提供事業者やプロバイダーなどの各社に、利用規約に基づいた削除などの措置を依頼するため、2020年6月に開設された。
相談は被害にあった本人以外にも、被害者が児童または就学中の場合は、保護者や学校関係者からも受け付けている。2022年は新型コロナウイルスの制限緩和によりスポーツ業界がより盛んになったことに伴い、新型コロナウィルス感染症罹患者やアスリートに対する誹謗中傷も対象となっている。
報告のうち誹謗中傷情報に該当する比率は横ばい
2022年は、1382人から2152件(前年から559件減少)の相談が寄せられた。相談者の内訳は被害者本人が91.9%。保護者からが6.0%で、学校関係者からが2.1%。被害者の40%が相手の身元は分かっていると答えている。
2152件の相談のうち、25.8%にあたる556件が「特定誹謗中傷情報」に該当すると判断された。特定誹謗中傷情報とは、「誹謗中傷の対象となった実在の個人が特定可能である」「公共性がない、または公益目的でないことが明らかである」「特定個人の社会的評価が低下させられる、または社会生活上許される限度を超えた侮辱的な内容である」という3つの条件に当てはまる情報(ウェブサイトやSNSへの投稿など)を指している。
誹謗中傷情報に該当した件数は前年(796件、27.8%)と比べて240件減少したものの、比率はほぼ横ばいだという。事例には、個人間のトラブルに起因し、被害者の氏名や住所、顔写真などを晒した上で、人格や存在を否定する言葉で誹謗中傷するケースが多数あるとしている。
非該当事例とされた1596件の理由の内訳は、ハンドルネームなどの使用により「実在の個人が特定できない」が全体のうち最も多く35.8%、相談された投稿が特定できないなどの「内容不明」が21.2%、被害者本人からではない企業からの連絡、内容重複などの「その他の理由」が35.9%であった。