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電帳法への対応は何が大変? 法人と個人事業主に聞いた結果は……

マネーフォワードが「電子帳簿保存法に関するアンケート」

 株式会社マネーフォワードは3月28日、「電子帳簿保存法に関するアンケート」の結果を公表した。電子帳簿保存法(電帳法)の対応状況や今後の予定は、個人よりも法人の方が積極的という結果になった。

 この調査は2022年12月23日~30日、法人事業者702名、個人事業主541名を対象に行ったもの。

法人の約8割/個人の約7割は「電帳法の対応は大変」と感じている

 「電子帳簿保存法への対応ができていますか?」との質問では、法人(n=668)は「対応できている」が20.2%、「一部対応できている」が33.1%、「対応を予定している」が21.6%、「対応の予定はない」が7.6%、「未定」が6.1%、「わからない」が11.4%。

 一方、個人(n=512)は「対応できている」が11.5%、「一部対応できている」が10.4%、「対応を予定している」が15.8%、「対応の予定はない」が23.6%、「未定」が18.6%、「わからない」が20.1%だった。

 法人では「対応できている」「一部対応できている」を合わせると53.3%だが、個人は21.9%のため、差が見られる。

「電子帳簿保存法への対応ができていますか?」

 電帳法は2022年1月1日に改正法が施行されたが、電子取引の電子保存の義務化については2年の宥恕(ゆうじょ)措置が設けられている。

 「電子取引の電子保存の対応については、2年の宥恕措置(2024年1月1日より義務化)がとられているのを知っていますか?」との質問では、法人(n=668)は「知っている」が37.9%、「だいたい知っている」が32.6%、「あまり知らない」が15.7%、「知らない」が13.8%。

 個人(n=512)では「知っている」が14.3%、「だいたい知っている」が21.9%、「あまり知らない」が28.5%、「知らない」が35.4%という結果になった。

 法人で「知っている」と「だいたい知っている」を合わせると70.5%だ。しかし、個人は36.2%で、法人よりも認知率が低い。

「電子取引の電子保存の対応については、2年の宥恕措置(2024年1月1日より義務化)がとられているのを知っていますか?」

 「電子帳簿保存法の改正を受けて、クラウドサービスを導入しましたか?」との質問に対して、法人(n=668)は「導入した」が21.9%、「導入を検討している」が32.5%、「導入する予定はない(システム等は利用しない)」が19.2%、「導入する予定はない(自社の既存のシステムを活用する)」が19.9%、「すでに導入していた」が6.6%となっている。

 個人(n=512)では「導入した」が6.1%、「導入を検討している」が23.4%、「導入する予定はない(システム等は利用しない)」が37.3%、「導入する予定はない(自社の既存のシステムを活用する)」が26.4%、「すでに導入していた」が6.8%。

「電子帳簿保存法の改正を受けて、クラウドサービスを導入しましたか?」

 「電子帳簿保存法に対応することは大変だと感じますか?」と聞いたところ、法人(n=623)は「大変だと思う」が40.0%、「少し大変だと思う」が37.7%、「どちらとも言えない」が17.5%、「あまり大変ではない」が3.7%、「大変ではない」が1.1%となっている。

 個人(n=454)では「大変だと思う」が40.7%、「少し大変だと思う」が27.8%、「どちらとも言えない」が22.5%、「あまり大変ではない」が6.6%、「大変ではない」が2.4%。

 「大変だと思う」「少し大変だと思う」とした法人は77.7%、個人は68.5%のため、ともに負担がかかると感じている事業者が多いことになる。

「電子帳簿保存法に対応することは大変だと感じますか?」

 前の質問で「どちらとも言えない」「大変だと思う」「少し大変だと思う」と答えた人を対象に、具体的にどのような点に負担を感じるか「電子帳簿保存法への対応において、具体的に大変だと感じることを教えてください」(複数回答可)と聞いている。

 法人(n=593)では「業務フローの変更による従業員への理解促進」が53.3%、「電子帳簿保存法の要件に対応した業務フローの変更」が46.4%、「紙と電子の証憑の混在」が43.5%、「電子帳簿保存法に対応したシステムの選定・導入」が40.8%、「電子帳簿保存法を担当する人員の確保」が32.2%、「電子帳簿保存法の法律に関する理解」が28.0%、「その他」が2.7%。

 個人(n=413)では「紙と電子の証憑の混在」が50.1%、「電子帳簿保存法の要件に対応した業務フローの変更」が45.8%、「電子帳簿保存法の法律に関する理解」が44.8%、「業務フローの変更による従業員への理解促進」が27.8%、「電子帳簿保存法対応を担当する人員の確保」が24.2%、「その他」が2.2%。

「電子帳簿保存法への対応において、具体的に大変だと感じることを教えてください」

「電子取引の電子保存」「電子で受領する請求書」も法人の方が個人よりも積極的

 「電子取引の電子保存の対応について、すでに対策や対応方法を決定していますか?」の質問に対して、法人(n=668)では「決定している」が34.4%、「これから決める予定」が41.0%、「決定していない」が17.8%、「今後も対応しない予定」が6.7%となっている。

 一方、個人(n=512)は「決定している」が12.3%、「これから決める予定」が30.7%、「決定していない」が45.7%、「今後も対応しない予定」が11.3%だ。

 「決定している」と「これから決める予定」を合わせると、法人は75.4%だが、個人は43.0%となっている。

「電子取引の電子保存の対応について、すでに対策や対応方法を決定していますか?」

 「今後、電子で受領する請求書の割合を増やしていきたいと思いますか?」と質問すると、法人(n=668)は「はい」が61.7%、「いいえ」が13.3%、「どちらとも言えない」が25.0%だった。個人(n=512)は「はい」が33.0%、「いいえ」が25.2%、「どちらとも言えない」が41.8%となっている。

「今後、電子で受領する請求書の割合を増やしていきたいと思いますか?」