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ウェザーニューズが「熱中症実況データ」提供開始。1kmメッシュの「熱中症情報API」をバージョンアップ

1kmメッシュの熱中症実況データ(東京)のイメージ

 株式会社ウェザーニューズは5月18日、気象データ提供サービス「WxTech(ウェザーテック)」において、1kmメッシュの「熱中症情報API」をバージョンアップしたと発表した。

 熱中症情報APIは、1kmメッシュの暑さ指数(WBGT)をもとに同社が独自に算出した5段階の熱中症危険度を提供するもの。昨年は1時間ごとの短期の熱中症予報を7~9月に提供したが、今年は5月から提供を開始する。5月17日に岐阜県で今年初めての猛暑日を観測し、6~8月の気温も広い範囲で平年より高いと予想されることから、早めの熱中症対策に活用できるようにした。また、バージョンアップにより、10日先までの日ごとの「10日間熱中症予報」と、10分ごとに更新するリアルタイムの「熱中症実況データ」の提供も開始した。

 これにより熱中症情報APIでは、従来からある短期の熱中症予報(72時間先まで1時間ごと)と合わせ、3種類の熱中症情報について、それぞれ「ほぼ安全」「注意」「警戒」「厳重警戒」「運動中止」の5段階で熱中症危険度を提供するかたちになる。

 「例えば、企業は『注意』以上が予報されている場合はこまめな水分補給を促し、当日の実況データで『警戒』以上が出たらアラートを飛ばして屋外作業を休止するなど、データを使い分けることも可能になる」(ウェザーニューズ)。

データ種別熱中症予報熱中症実況データ
ランクほぼ安全
注意
警戒
厳重警戒
運動中止
ほぼ安全
注意
警戒
厳重警戒
運動中止
空間解像度1kmメッシュ1kmメッシュ
提供期間5~10月5~10月
時間解像度・短期の熱中症予報:1時間ごと、72時間先まで
・10日間熱中症予報:1日ごと、10日間先まで
10分
更新頻度・短期の熱中症予報:5回/日
・10日間熱中症予報:1回/日
10分ごと

 ウェザーニューズによると、「一般的な熱中症情報は、1年中、全国一律の基準でWBGTの値からランク分けしており、時期やエリアによる熱中症の発生傾向の違いは考慮されていない」という。しかし、「同じ気温でも体が暑さに慣れてきた夏とそうではない時期や、東北と関東など住んでいるエリアの違いによって、熱中症のなりやすさが異なる。特に梅雨明け直後は、体が暑さに慣れていないため熱中症になる人が多いと言われている」とし、ウェザーニューズにでは「過去の熱中症搬送者数とWBGTとの関係を分析した結果から、時期やエリアを考慮した新しい熱中症危険度を算出している」ことで精度を高めているとしている。

 熱中症情報APIは、屋外の作業現場、イベント会場、学校における熱中症の注意喚起でのニーズが多いが、過去には、例えば日本コカ・コーラ株式会社のスマホアプリにおいて、熱中症リスクが高いときに自販機でのドリンク購入を促すキャンペーンを実施して効果が確認されるなど、マーケティングにも応用されているという。