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国内の位置情報測位ソリューション市場は364.4億円規模、前年度比25.1%増

測位ソリューション市場の中期予測

 デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社は、国内の位置情報ソリューションに関する調査「位置情報ソリューション市場の現状と展望 2023年度版」を6月に発刊した。

 同調査では、日本の位置情報ソリューション市場について、測位ソリューションベンダー23社、位置情報分析プラットフォームツールベンダー10社の面接取材による個別実態調査と、周辺調査データや同社が保有するデータベースをもとに市場全体の動向と中期予測および各社のシェア動向を分析した。

 発表によると、屋外・屋内を合わせた2022年度の位置情報測位ソリューション市場は364.4億円(前年度比25.1%増)となった。

 このうち屋外測位ソリューションの市場規模は264.8億円(前年度比24.6%増)。その背景としては、測量や自動運行などの領域においてセンチメートル単位での測定が必須となるため、現在は高精度測位が活況化していることを挙げている。高精度測位は自動車や農機、建機の自動運転やドローン/ロボットの運行、測量、インフラ設備の老朽化対応、自然災害対策など、さまざまな用途において使用が検討されており、実証が進められているという。

 また、コロナ禍の影響で2022年前半ごろまでストップしていた投資も再開し始めており、屋外測位ソリューションの実務導入が先行したアーリーアダプター層だけではなく、エンタープライズ企業やマジョリティ層での実務導入が今後増えるとみており、2027年度までのCAGR(年平均成長率)は20.2%増と拡大成長を継続するとみている。

 一方、屋内測位ソリューションの市場規模は99.6億円(前年度比26.6%増)。コロナ禍が落ち着く中でアフターコロナの働き方が定まったことなどを背景に拡大成長したと分析している。

 また、例えば一般のオフィスビルではすでにWi-Fi環境が構築されているため、コストを抑える場合はその環境下で従業員の位置確認を行い、高精度の測位が必要となる工場ではQuuppaやUbisenseなどの測位システムを利用するなど、エンドユーザー企業において用途に応じた測位技術・精度が選択されるようになったことも指摘している。

 同社では、屋内測位ソリューションの市場規模について、2027年度まで年平均成長率20.1%で成長を継続すると予測している。