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Slack GPT改め「Slack AI」、今冬よりベータテスト開始。プロジェクト管理の新機能「List」も発表

人気の「ワークフロービルダー」機能強化も

機能強化される「ワークフロービルダー」の管理ツールとして新たに導入される「Automation Hub」(提供:Slack)

 米Salesforceの子会社で「Slack」を提供するSlack Technologiesは、Salesforceが9月12日~14日の3日間にわたってカリフォルニア州サンフランシスコ市のモスコーン・センターで開催する年次イベント「Dreamforce 2023」に先だって報道発表を行ない、同イベントで発表する新機能などの概要を明らかにした。

 従来「Slack GPT」という名称で導入を告知してきた生成AIの機能を「Slack AI」と名称変更し、この冬からクローズドベータテストを行なうとしている。また、新しく導入される機能「List(リスト)」では、プロジェクトの管理をリスト形式で行なえ、プロジェクトの進行状況などを一目瞭然で確認でき、さらに承認機能などを利用して関係者の承認を得ることなどが可能になっている。

 さらに、従来は「ワークフロービルダー」と呼ばれてきたローコードで自動化機能をSlackに実装する機能が強化され、その管理ツールとして「Automation Hub(オートメーションハブ)」が新たに導入されるなどの機能強化も行なわれる。

生成AI機能は「Slack AI」の名称で展開。新機能「List」でプロジェクト管理も可能に

 Slackはここ最近アップデートに力を入れており、7月に行なわれたSalesforceの日本でのイベントでは、Salesforceとの統合を一段階引き上げる「Slack Sales Elevate」を発表したほか、「Slack GPT」と呼ばれるOpenAIとの協業で作られた生成AI機能に関してのアップデートを行なった。また、8月の発表では、新しいサイドバーが導入されるなどして、ユーザーインターフェースの更新が発表され、アップデートが順次行なわれている。

 今回の「Dreamforce 2023」に合わせた発表では、そのSlackの生成AI機能に関するアップデート、新機能としてプロジェクトの管理などをリスト形式で行なえる「List」、そして「ワークフロービルダー」の機能強化などが明らかにされた。

「Slack AI」で導入される機能(出典:Slack: The Future of Intelligent Productivity、Slack Technologies)

 これまでSlack GPTという、OpenAIが提供する「ChatGPT」の名称の一部を利用して呼ばれてきた生成AIの機能は、正式に「Slack AI」という名称になることが明らかにされた。Slack GPTという名称で呼ばれてきたときに明らかにされてきたチャンネルのリキャップや、スレッドの要約、さらにはチャットボットのように自然言語を利用しての検索などの機能が実装される。こうした機能は今年の冬にクローズドベータが開始される計画になっており、クローズドベータの結果を経て、大多数のユーザーに展開されることになる。

「Slack AI」を利用するとスレッドの要約が自動で作成してもらえ、自然言語による検索などが利用できるようになる(提供:Slack)

 注目の新機能は「List」の名称で呼ばれる、プロジェクトをリストとして管理したり、進捗状況を確認したりできる機能だ。見た目はスプレッドシートのようなリスト形式で、さまざまなプロジェクトを管理できる。これまでであれば、Atlassian Jiraのようなサードパーティアプリを導入してプロジェクト管理してきたような組織でも、ある程度までであればListだけで済ませることが可能になる。

新しく導入される「List」(出典:Slack: The Future of Intelligent Productivity、Slack Technologies)

 新しいプロジェクトを作成すると、スプレッドシートのようなリストの中にプロジェクトが作成される。そのプロジェクトを開くと、詳細な進捗状況や関連するスレッドなどを確認できる。さらに、承認プロセスも用意されており、法務や重役の承認を得るなどがList内で完結させることが可能になる。これまで、ローカルのスプレッドシートなどでそうしたプロジェクトの進捗状況を管理していたユーザーも、Listに移行することで、全てオンラインでそれらを完了させ、さらに承認などもSlack上で実現できるので、より生産性を高めることが可能になる。

「List」が動作する様子(提供:Slack)

 Listは今年の冬にクローズドベータテストが計画されており、製品版への搭載はそのベータテストの結果を反映してからとなる。

ノーコードの自動化機能作成「ワークフロービルダー」を強化、「Automation Hub」を導入

 Slackを使うメリットの1つとして、「ワークフロービルダー」によるローコード/ノーコードでの自動化機能作成が活用できることが挙げられる。今回、Slackはそのワークフロービルダーを強化した。

「ワークフロービルダー」の機能も拡張される(出典:Slack: The Future of Intelligent Productivity、Slack Technologies)
「ワークフロービルダー」により自動化機能を作る様子(提供:Slack)

 大きな拡張の1つは「Automation Hub」という、作成したワークフローを一覧として確認し、編集したりすることが可能になったことだ。これにより、チームがどんなワークフローを使っているか、自分がどんなワークフローを作ったかなどを容易に確認できる。また、従来はアプリと呼ばれていた外部クラウドとの連携機能は「Connector(コネクター)」と呼ばれるようになり、Atlassian、Google、Microsoftといった他のSaaSベースのツールと接続して、他のサービスとの連携もより容易になると強調されている。

「Automation Hub」(出典:Slack: The Future of Intelligent Productivity、Slack Technologies)

 このほか、ワークフロービルダーはSalesforce側の自動化機能である「Salesforce Flow」にも拡張され、Salesforce Flowと協調したSlackのワークフローを作成することが可能になる。

 Slackによれば、Automation Hubは9月末から提供開始予定となっており、こちらは全ユーザーに対して順次展開されていく計画だ。

【お詫びと訂正 2023年9月7日 22:35】
 記事初出時、「ワークフロービルダー」を「Slack Automation」に名称変更するという記述がありましたが、誤りと判明したため該当箇所を修正いたしました。お詫びして訂正いたします。