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自動車のサイバーセキュリティ事業を日本で強化、トレンドマイクロ子会社の「VicOne」が東京に新本社

(左から)VicOneグローバル本社自動車事業担当副社長の難波政典氏、VicOne会長/トレンドマイクロ最高財務責任者のマヘンドラ・ネギ氏、VicOne最高経営責任者のマックス・チェン氏

 トレンドマイクロ株式会社の子会社で“コネクテッドカー”のサイバーセキュリティを手掛ける台湾のVicOne(ビックワン)は、新たな本社を東京に開設し、日本での展開を強化すると発表した。また、VicOneの新会長としてマヘンドラ・ネギ氏(トレンドマイクロ最高財務責任者)が就任した。

 9月26日には、マヘンドラ・ネギ氏、VicOne最高経営責任者のマックス・チェン氏、VicOneグローバル本社自動車事業担当副社長の難波政典氏が出席し、記者発表が行われた。

 電気自動車(EV)の多くはコネクテッドカーだ。マックス・チェン氏は、コネクテッドカーの増加の目安として、2030年におけるEVの普及率が世界各国/地域別で30%~50%に達する見込みだとしている。

 しかし、このようなコネクテッドカーの普及に伴い、サイバーセキュリティのリスクが増大している。「VicOne自動車サイバーセキュリティレポート2023」の「2023年上半期に開示されたセキュリティ事案のカテゴリ」では、イモビライザーが14.7%、車両アプリが13.3%、充電が9.3%、IVIが9.3%、CANが5.3%、運転支援が4.0%となっているが、最も多いのはサイバー攻撃で32.0%に上っている。

VicOne自動車サイバーセキュリティレポート2023

 これらの自動車に対するセキュリティ事案の対策として、VicOneでは、車載IDPS(侵入検知防御システム)、脆弱性管理、ペネトレーションテスト、IVIからコンパニオンアプリまでのデータプライバシーセキュリティ、クラウドベースのVSOCプラットフォームを提供している。

VicOneが提供している自動車向けのサイバーセキュリティソリューション

 マヘンドラ・ネギ氏は「自動車のアタックサーフェイス(攻撃対象領域)」を挙げている。このアタックサーフェイスは、自動車の外ではサプライヤー、工場、ディーラーの脆弱性が挙げられる。自動車では、OBD(オンボード診断)、OTA(無線経由でのアップデートなど)、クラウド、ADASセンサー(先進運転支援システムのセンサー)、Wi-Fi/Bluetooth/4G/5G/V2X/NFCなどの通信、充電ポート、モバイル車制御アプリ、GPS、キーレスエントリーと数多い。このような現状のため、「自動車産業にとって、今後、サイバー攻撃という新たな脅威は不可避」としている。

自動車のアタックサーフェイス(攻撃対象領域)

 また、VicOneの日本における貢献点として、「日本の自動車企業は、長期的なサービスを提供する信頼できる現地サプライヤーを必要としている」「VicOneの日本本社を通じて、地域の統合に即した専門知識を提供する」という2点を挙げている。