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ホームルーターの満足度が固定回線に及ばない点は「通信品質」、J.D. パワーが調査結果を発表
全国の固定回線とホームルーターの満足度調査
2024年3月4日 07:30
顧客満足度に関する調査やコンサルティングを手掛ける株式会社J.D. パワー ジャパンは2月28日、2024年におけるインターネットの固定回線およびホームルーターサービスの満足度調査の結果を発表した。
調査は、2023年12月中旬にインターネットにて「J.D.パワー2024年固定インターネット回線サービス顧客満足度調査」および「J.D.パワー2024年ホームルーターサービス顧客満足度調査」として行われた。前者は、固定インターネット回線(光もしくはCATVが対象)を自宅で利用している20~74歳の1万5337人、後者は、ホームルーターサービス(5G対応端末利用が対象)を自宅で利用している20歳~74歳の3000人が対象。
調査結果は、総合的な顧客満足度に影響を与える4つのファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価をもとに、1000ポイントを満点として「総合満足度」のスコアを算出している。ファクターの内容と総合満足度に対する影響度は、「通信品質」(37%)、ポイントサービスや固定電話、テレビ、セキュリティなどの「各種提供サービス」(31%)、「各種費用」(26%)、「サポート」(5%)。
固定回線が、ホームルーターの満足度を28ポイント上回る
まずは、市場全体の固定回線とホームルーターの総合満足度を比較。すると、580ポイントに対552ポイントで、固定回線がホームルーターを28ポイント上回る結果となった。
ファクター別にみていくと、通信品質における差が大きく、固定回線が612ポイント、ホームルーターが566ポイントだった。「通信の速度」に加えて「接続の安定性」の評価においてより顕著な差がみられたという。
「時間帯によって速度が遅くなったり、接続が安定しないことがある」というネガティブな通信体験について「週に1回以上」と回答した割合が、固定インターネット回線のユーザーでは約1割である一方、ホームルーターのユーザーでは約3割という結果となり、モバイル回線を使用するホームルーターでは、建物の構造や場所、天候などの影響を受けやすいことがあるためと、同社では考察している。
ホームルーター満足度は「ドコモ home 5G」が1位
ホームルーターの事業者別の顧客満足度では、1位は「ドコモ home 5G」で573ポイント、2位は「WiMAX+5G」で557ポイント、3位が「SoftBank Air」で540ポイントという結果になった。
なお、5G回線サービス提供状況別に満足度をみると、自宅が5G提供エリアである場合は567ポイント、自宅が5G提供エリアではない場合は528ポイントと、総合満足度に39ポイントの差があることが分かった。同社では、ホームルーターは導入の手軽さが利点である一方、中長期的な評価向上のためには、5G回線サービスの提供エリア拡大がポイントになるとしている。
固定回線エリア別、北海道の1位は「auひかり」
北海道エリアでは、1位が「auひかり」で598ポイント2位が「フレッツ光(NTT東日本)」で586ポイント、3位が同点で「ドコモ光」「J:COM NET」で560ポイントという結果になった。
東海の1位は「コミュファ光」
東海エリアでは、1位がKDDIグループの中部テレコミュニケーション株式会社が提供する「コミュファ光」で598ポイント、「フレッツ光(NTT西日本)」「NURO光」が同点2位で591ポイントという結果になった。
関西の1位は「eo光ネット」
北陸含む関西エリアでは、関西電力系の株式会社オプテージが提供する「eo光ネット」が1位で628ポイント、2位が「NURO光」で618ポイント、3位が近鉄ケーブルネットワーク株式会社が提供する「KCN」で614ポイントという結果になった。
中国は「ドコモ光」「メガエッグ 光ネット」が同点1位
中国エリアでは、「ドコモ光」と、中国電力系の株式会社エネコムが提供する「メガエッグ 光ネット」が、ともに1位で601ポイント。2位に「フレッツ光(NTT西日本)」で593ポイントだった。
四国の1位は「ピカラ光ねっと」
四国エリアでは、1位が四国電力系の株式会社STNetが提供する「ピカラ光ねっと」(631ポイント)、2位が「フレッツ光」で602ポイント 、3位が「ドコモ光」が3位の593ポイントという結果になった。