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中国でアニメ海賊版サイト「B9GOOD」運営者らに有罪判決、不当に得た広告収益は3700万円

日本の働きかけによる海外運営者への刑事罰は初

 一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は3月4日、日本人向けアニメの最大級海賊版サイト「B9GOOD」運営者らが、著作権侵害罪で有罪判決を受けたことを発表した。中国江蘇省の公安局に刑事摘発されていた主犯格の男性Aは、懲役3年、執行猶予3年6カ月、罰金180万人民元(約3800万円)が言い渡されている。

 男性Aは、2008年〜2023年2月の約15年間、中国国内、カナダ、日本などのサーバーをレンタルし、「BLUE920」「B9DM」「B9GOOD」とサイト名およびドメインを変更しながら、営利を目的に運営を続けたという。無断で掲載された作品は4万5880本にのぼることが分かり、男性Aが不当に得た広告収益は177万7000元(約3700万円)と認められた。

 中国の江蘇省泰州医薬高新技術産業開発区人民法院は、男性Aが初犯かつ自発的に犯罪行為を認めたことなどから、執行猶予付きに軽減した上での有罪判決を下した。また、報酬を受けてアップロードした女性Bと女性Dも、同様の罪で執行猶予付きの有罪判決を受けている。なお、同時期に取り調べを受けていたアップローダーの男性Cは中国の刑法が定める減免措置の対象となった。

日本人向けで最大規模、米からも「悪質高いサイト」として報告

B9GOODトップページ(2023年3月10日のもの・一部画像加工、CODAのニュースより)

 B9GOODは、日本人向けの日本語版海賊版サイトとしては最大の規模だったもので、掲載されたコンテンツのほとんどは日本で制作されたもの。サイトの案内なども日本語で表示されており、日本からのアクセスは約95%を占めていたという。

 2018年には、映像コンテンツの著作権保護などの活動を行うアメリカのモーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)がB9GOODを名指し批判するなど、国際的にも悪質なサイトの1つとして注目されていた。

日本からの働きかけによる海外運営者への刑事罰は今回が初

 CODAでは、2016年から「B9GOOD」に対しさまざまな対策を実施していたという。当時「B9DM」として運営していた同サイトについての行政投訴を申し立て、一旦は行政によるサイト閉鎖の指導がなされた。

 ところが、男性は同サイトにジオブロッキング(地域視聴制限)を施し、中国国内では視聴できない状態にすることにより、サイトを閉鎖したと偽装して、その後も日本をはじめとする海外へ向けた侵害行為を継続していた。

 CODAでは、2021年度より(日本の)経済産業省の支援を受けて実施する「国際執行プロジェクト」(CBEP)による「B9GOOD」の調査を開始し、サイトの運営者特定と法的に裏付けのある被疑者情報を取得することに成功。CODAにおいて日本の被害権利者の取りまとめを行い、CODA北京事務局が公安局へ刑事告発を行い、今回の摘発に至った。その後、サイトは2023年3月に閉鎖された。

 日本(CODA)からの働きかけをきっかけに海外の海賊版サイトの運営者やアップローダーに刑事罰が科されたのは、今回が初めてだという。

 CODAでは、このような悪質なサイトに対する今回の摘発および判決が、同様の海賊版サイト運営の抑止に大きな影響力を発揮するものと期待するとし、も国境を越えて対策を展開し、日本コンテンツの不正利用一掃のために尽力していくとしている。