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「ファスト映画」アップロードした2人に5億円の損害賠償金支払いを命じる判決

CODAら原告は「著作権侵害のやり得を許さない」とコメント

 東京地方裁判所は11月17日、「ファスト映画」を著作権者に無断でYouTubeにアップロードした2人に対し、著作権侵害による損害賠償保証金5億円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 映画54作品(権利社13社)を10分程度に編集し、ナレーションをつけるなどした、いわゆる「ファスト映画」をYouTubeにアップロードし不当な広告収入を得ていたとして、2021年6月23日に3人が宮城県警本部と塩釜警察署に逮捕された。本件の裁判において、被告3人はYouTubeチャンネルの運営を認めており、ファスト映画の再生数は合計1000万回に上っていたという。

 損害賠償請求は、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)および一般社団法人日本映像ソフト協会(JVA)の会員企業13社が原告となり、アップロードした3人に対して行ったもの。原告企業13社は、ファスト映画による損害額を20億円と算定し、このうち最低限の損害回復として5億円の支払いを求めて、5月19日に訴訟提起していた。

 判決についてCODAおよびJVAは、以下のコメントを発表している。

私たちの主張を全面的に認めた判決であり、著作権侵害に対する大きな抑止力になるものと考えます。近年の他の著作権侵害事件と比較しても認容金額が大きく、著作権侵害のやり得を許さず、原告13社が一致団結して行動し、このような判決を得られたことの意義は大きいと感じています。

 なお、被告のうちもう1人は、現在海外にいるとみられており、所在を調査中。所在を特定でき次第、海外送達を行う予定だいとう。