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注意していたのに子どもがゲームで無断課金…トラブル事例と対策を国民生活センターが発表
2022年度の事例では平均「約33万円」と高額に
2024年3月14日 07:15
独立行政法人国民生活センターは3月13日、子どもが親に無断でオンラインゲームのアイテムなどを購入(以降、慣例的な表現を用いて「課金」とする)してしまう事例と、対策のためのアドバイスを公開した。
紹介されている事例はいずれも、親がまったく無頓着だったわけではないが、抜け道があることに気付いておらず、または課金可能な状態であることを忘れて、子どもにスマートフォンを使用させていたもの。
同センターによれば、契約当事者が小中高生であるオンラインゲームの2022年度の相談件数は4024件で、契約購入金額の平均は約33万円と高く、ひとたび無断課金が発生すると、高額の支払いになることが示されている。
事例1:パスワードを変更して課金
母親のスマートフォンを、母親のアカウントにログインした状態で小学生の娘に貸したところ、娘がアカウントのパスワードを変更し、登録されたクレジットカードでゲームに課金してしまった。
事例2:認証に必要な指紋を追加登録して課金
母親の古いスマートフォンを、母親のアカウントにログインした状態で小学生の息子に使わせていた。課金には母親の指紋認証が必要な設定にしていたが、息子が自分の指紋を追加登録し、ゲームに課金した。
事例3:キャリア決済で課金
母親名義で契約し、中学生の息子を利用者登録したスマートフォンを息子に使わせていたところ、キャリア決済で5カ月の間に5万円を課金していた。キャリア決済の上限額を引き下げる設定が可能だとは知らなかった。
事例4:以前にカード情報を登録していたことを忘れていた
息子が、息子のスマートフォンで1年間に約55万円を課金。数年前に母親がゲームへの課金以外の目的で息子のスマートフォンにクレジット番号を登録しており、息子はその情報を使って課金したようだ。
子ども専用アカウントを設定し、ペアレンタルコントロールの利用を
同センターでは、保護者へのアドバイスとして、次のことを呼び掛けている。
- 保護者のスマートフォンで子どもに遊ばせる場合は、保護者のアカウント(Apple IDやGoogleアカウント)は必ずログアウトすること
- 子どもにスマートフォンを与える場合は、子ども専用のアカウントを作成したうえで、ペアレンタルコントロールを利用して保護者が管理し、課金を承認制にすること
- アカウントの決済とキャリア決済のそれずれに決済時の承認を(パスワード、指紋、顔認証など)を設定する、パスワードは子どもが類推できない文字列で設定すること
- クレジットカードの保管場所に注意する。子どものスマートフォンにカード情報を登録したときは、使用後に必ず削除すること
- キャリア決済は、必要に応じて上限額を低く設定すること
- 決済完了メールや明細を日頃から確認すること
また、子どもが遊ぶゲームの課金の仕組みを一緒に確認したり、オンラインゲームの確認についてルールを決めたりするなど、子ども自身が考えてゲームと付き合えるようにしていくことも重要だとしている。
民法では、未成年者が保護者の同意なく契約した場合は、取り消すことができる。ただし、子どもが保護者のアカウントでログインしたスマートフォンを使って課金した場合は、所有者である保護者が決済を行ったとみなされる場合もあるという。
そして、トラブルが生じた場合は、消費者ホットライン「188(いやや!)」番や、国民生活センターなどに相談するようにとしている。
同センターでは、このような、未成年者が保護者の承諾なくオンラインゲームの課金をしてしまうトラブル防止のため、事業者団体およびアプリストア運営事業者に対して要望を行ったという。