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NECとNTT、世界初の12コア光ファイバーによる7000km超の長距離伝送実験に成功。光海底ケーブルの高速化に期待
2024年3月22日 06:00
日本電気株式会社(NEC)と日本電信電話株式会社(NTT)は3月21日、世界で初めて、標準外径12コア結合型光ファイバーを用いた、7280kmの伝送実験に成功したと発表した。将来の、太洋横断級の光海底ケーブルの大容量化への貢献が期待できるとしている。
本実験で使用したケーブルは、標準外径(外径0.125mm)に、光の伝送路「コア」を12設けた「12コア結合型マルチコアファイバー」。複数のコアを持つ光ファイバーでは、コアから漏れた光信号が隣接するコアに干渉し、通信品質が劣化する「クロストーク」と呼ばれる現象が発生する。長距離の伝送においては、このクロストークの問題が深刻になることに加え、光信号の遅延や損失の不均一性もあり、正確な信号の送受信が困難だった。
今回の実験では、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術を応用した24×24 MIMO技術をNECが開発した。これは、既存の光通信で実用化されている2偏波を12コアに適用できるよう、大規模かつ高速な信号処理を可能にしたもの。
NTTは、信号の遅延と損失の不均一性の影響を低減可能な、12コア結合型マルチコアファイバー光伝送路を開発した。コアから漏れた光信号の干渉を前提に、各コアで伝送される信号を後処理で分離・復調する方式の光ファイバーを「結合型マルチコアファイバー」と呼ぶ。
なお、NECは現在も長距離光海底ケーブルの敷設プロジェクトを手掛けているが、2コアのマルチコアファイバーを使用している。
本実験の成果は、3月24日~28日(現地時間)に米国で開催される、光通信に関する世界最大のイベント「OFC 2024」のTechnical Conferenceにて、高スコア論文として発表される。