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「ぼくは日高本線が大好きだった」小学生が撮影していた29駅の在りし日の姿、写真集がグランプリを受賞

PUBFUNが主催する個人出版作品のアワードで

 株式会社PUBFUNは3月28日、優れた個人出版作品を表彰する「パブファンセルフアワード2024」の受賞作品を発表した。グランプリは、廃線となった北海道・日高本線の在りし日の姿を小学生当時の著者が撮影した写真集「ぼくは日高本線が大好きだった 地元の小学生が記録していた“ありし日”の全29駅」(著者:伊藤未知)に決定。準グランプリには、ハンガリー出身の著者が故郷の食文化とともにハンガリー料理を紹介する「ハンガリー食文化とレシピ集」(著者:三木フォリヌスイベット)、日本画家である著者が予算の関係で一度は断念したものの、ファンからの要望に応えて出版を実現したという個展図録「諸星美喜展 -無垢のカタチ- 2023」(著者:諸星美喜)の2作品が選ばれた。

 PUBFUNは、株式会社インプレスホールディングスと株式会社メディアドゥが設立したプリントオンデマンド(POD)サービスの会社で、個人向けには、PODを活用した出版支援サービス「パブファンセルフ」を展開している。所定の形式の原稿ファイルを用意することで、基本無料で紙書籍や電子書籍を出版し、Amazonや楽天ブックスで販売可能。紙書籍は、読者からの注文に応じてPOD販売書店より1冊ずつ印刷・発送されまる流れのため、一般的な出版や自費出版のようにあらかじめ大量の在庫を持つ必要がなく、まとまった費用も不要だという。

 2016年10月に「ネクパブ・オーサーズプレス」としてサービス開始以来、累計会員数1万2000人を超え、累計出版点数9400点、Amazonでの累計販売数44万5000冊、累計販売額11億5000万円規模に成長しており、「POD出版分野では日本最大級の個人向け出版サービス」だとしている。

 同サービスを利用した紙書籍の出版者を対象に実施しているのが「パブファンセルフアワード」で、今年は118作品がエントリー。その中から一次審査を通過した20作品について、アワード事務局による審査、書店員・司書や一般レビュアーが参加できる「NetGalley」会員による審査が行われた。

 グランプリ・準グランプリのほか、優秀賞として「週2だけど正社員です! ~小説 週2正社員のススメ~」「大丈夫、いいと思うよ」「盲学校でマジックショーを!」「八ヶ岳フォトフェスタ作品集」の4作品、PUBFUN賞として「サルボン ~サルでも分かる保険算定本~〈P・歯管編〉」「蜃気楼」の2作品が選出されている。「誰もが気軽に出版できるオンデマンド出版ならではの多様性と可能性がうかがえる作品群だ」としている。