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チーム単位のワーケーションは「関係性」「意見出しのしやすさ」が向上する〜パーソルが社内制度の調査結果をもとに分析

 パーソルホールディングス株式会社は5月13日、同社が実施する「ワーケーション制度」を利用した社員のアンケート結果を発表した。チームでのワーケーションは関係性向上に大きな効果があったという。

 同社のワーケーション制度は、社員のリモートワーク比率が80%を超えていることから、「エンゲージメント向上やチームビルディングを高める」目的として2023年7月から開始したもの。交通費・施設利用費・宿泊費の一部を会社が負担する。チーム単位でのみ利用でき、1チームにつき年に1回まで利用可能としている。

 同制度を利用したのは16チーム、121人。このうち、2023年7〜9月に行ったアンケートに回答した人は101人。

ワーケーションの効果は「関係性向上」

 ワーケーションの効果実感を尋ねたところ、「関係性が向上した」(「関係性向上」についての、「そう思う」「ある程度そう思う」というポジティブな回答の率)が97%となった。そのほか「リフレッシュ」「アイデア創出」「作業効率」について、ポジティブな回答がそれぞれ80%、47%、33%得られた。

ワーケーションの効果

相互理解を深めるアクティビティで「意見出し」しやすさに顕著な差

 ワーケーション実施後にしやしくなったこととして、「挨拶や雑談」「業務上の相談」「意見出し」のぞれぞれのポジティブな回答の率は85%、75%、68%だった。ワーケーション中に相互理解を深めるアクティビティを実施したチームと未実施のチームとの比較においては、「意見出し」についてのポジティブな回答が72%と50%となり、20ポイント以上の差がついた。

ワーケーション後の行動変化について

「組織エンゲージメントの向上が確認された」と分析

 同社では、今回した実施したアンケートの結果と、同社が2023年9月に実施した「2023年度エンゲージメントサーベイ」の結果も分析した。ワーケーション参加者・未参加者で比較した結果、参加者の方が組織エンゲージメントが高いことが示唆されたとしている。

 また、参加組織のエンゲージメントサーベイの結果を前年度と比較したところ、組織エンゲージメントの向上が確認されたという

組織エンゲージメント

 以上を踏まえ、パーソル総合研究所研究員の中俣良太氏は、チーム単位のワーケーションがチームのコンディションを良好にし、個人のエンゲージメントを高める結果を確認できたとしている。そのうえで、同社が行ったほかの調査でも同様の傾向が見られ、プラスの効果が長期的に持続していることから、企業にとってもメリットが大きい可能性が示唆されたとコメントしている。