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中国の無許諾サブスク風サイト「深藍」「COCO」運営者ら13人、一斉摘発により逮捕

 合法ストリーミングサービスを悪用し、無許諾サイトを作成してライブラリー内の動画を視聴するためのアカウント情報を販売していた2つの事犯について、2024年1月から6月にかけて中国江蘇省の公安局が一斉摘発を行い、運営者など13人を著作権法違反の疑いで逮捕した。一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が発表した。

違法サブスク風サイトを運営していた11人を逮捕

無許諾サブスク風サイト「深藍」内の様子(2023年12月時点。CODAのニュースより)

 1件目の事件では、複数の被疑者に対して各地で一斉に家宅捜索を行った。その結果、アニメを中心とする日本のコンテンツを無断で複製し、ストリーミング再生を可能にしたサブスク風サイト「深藍」(シェンラン)が開設・運営されていることが判明した。

 「深藍」を運営し、ウェブサイトおよびアプリから「深藍」にアクセスするためのアカウント情報を自身が運営するウェブサイトなどで販売していた重慶市在住の主犯格の男性Aをはじめ、計10人を逮捕、追って湖北省でもう1人の被疑者が逮捕された。日本コンテンツにおいて侵害の多かったアニメ作品については1008作品(2万1981話)の掲載が確認されている。

 「深藍」の運営により不当に得た収入は、500万元(約1億900万円)相当であることが判明している。

同様の手口で運営されていた「COCO」関係者2人も逮捕

 2件目の事件として、「深藍」の被疑者男性Aの証言を基に家宅捜索を実施。その結果、「深藍」と同様の手口でサブスク風サイト「COCO」が開設・運営されていることが判明。浙江省温州市在住の男性2人の兄弟を逮捕した。

 「COCO」には10万話以上のコンテンツがストリーミング再生可能となっており、日本コンテンツにおいては約2万話のアニメを中心とした映画、テレビドラマなどのコンテンツが掲載されていた。「COCO」の運営により不当に得た収入は400万元(約8670万円)以上であることが判明している。

「COCO」運営者家宅捜索現場の様子(CODAのニュースより)

「海外発海外向け」海賊版サイトの日本からの刑事告発による摘発は今回が初

 今回の一斉摘発は、2つの事犯についてそれぞれCODA北京事務所が日本の権利者に代わり公安局に刑事告発を行い実行された。このような海外における、海外の利用者を対象とした「海外発海外向け」海賊版サイトの運営に対して、日本(CODA)からの刑事告発で運営者が刑事摘発されたのは、今回が初めてだという。

 CODAは、被害を受けた権利者であるCODA会員社と連携の上、今後の捜査についてもCODA北京事務所を中心に積極的に協力を行っていくとし、また、起訴後の刑事裁判で明らかになる事件の詳細についても注視し、厳重な刑事処罰を求めていくとしている。