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品川駅直結、宿泊したら「睡眠解析レポート」が届くカプセルホテル。NTTデータとナインアワーズが協業

ナインアワーズ品川駅スリープラボ Powered by NTT DATA」が開業(撮影はナカサ&パートナーズ)

 カプセルホテル事業などを手掛ける株式会社ナインアワーズは8月9日、株式会社NTTデータと協業し、品川駅直結の「アレア品川」(東京都港区港南1-9-36)内に、に睡眠解析できるカプセルホテル「ナインアワーズ品川駅スリープラボ Powered by NTT DATA」を開業した。

 同ホテルは、NTTデータが保有するアレア品川ビル1階の一画に位置する。男性専用で、利用料金は睡眠解析サービス「9h sleep fitscan」を利用する場合、1泊4900円から。

 ホテル内は、宿泊するカプセルユニット、シャワー室、ロッカー室のほか、テレワーク可能なラウンジを備える。

ラウンジ(撮影はナカサ&パートナーズ)
アメニティは、タオル、スリッパ、歯ブラシ、館内着

 なお、同ホテルは14時〜21時まで仮眠することもでき、料金は1000円から。また、24時間シャワーのみの利用も可能で、料金は700円。

カプセルユニット内の3つのセンサーで睡眠解析

 全70床のすべてのカプセルユニット内に、睡眠解析センサーが導入されている。カプセルユニットの全長は210cmほどとのことで、かなり大柄の男性でも体を伸ばして眠ることができる。

 ユニットの側面にはいびきなどを検知する集音マイク、上部に寝相などを確認する赤外線センサー、下部に寝返り・心拍数・呼吸を検知する体動センサーと、3つのセンサーを備え、これらで睡眠中のデータを収集する。宿泊客はセンサーを体に付けるなどの特殊な用意をする必要は全くない。

 そして、チェックイン時に希望していれば、特に何もすることなく、後日睡眠解析レポートを手にすることができる。

カプセルユニット内
集音マイク、赤外線センサー、体動センサーで睡眠状況を確認する
解析結果レポートのサンプル

宿泊する「ついで」に自身の睡眠を確認できる

 近年の健康増進の観点から、睡眠への注目度が高まる一方、日本人の平均睡眠時間は先進国のなかでもっとも睡眠時間が少ないという。

 「日常の生活導線の中で、『ついで』にウェルネスチェックができるような体験創出」を目指していると、取材時にNTTデータの担当スタッフは語り、「Frictionless」というキーワードを挙げた。摩擦がない、転じて、手間がかからない、最小限の手間で、といった意味の言葉だが、同社がこの言葉を使う意味合いは「普通に生活する『ついで』」といったものだ。

 同ホテルも、ビジネスや旅行で品川を利用し、宿泊するついでに睡眠解析レポートを入手し、健康づくりに役立ててもらえれば、といった思いがあるという。

 なお、NTTデータにとって、ホテル事業への参入は今回が初めて。同社は、情報活用によって生活者が自身の健康状態を知ることができることを目指した「Food&Wellnessプラットフォーム構想」を掲げており、今回のホテル事業参入もその一環となる。

 今後、同ホテルで取得した睡眠データをもとに、食品業界や医療業界など、睡眠にかかわる複数業界・企業との連携を目指していくとしている。現在、エキップ株式会社、株式会社MTG、オムロン ヘルスケア株式会社、カルビー株式会社、キリンビバレッジ株式会社と連携し、ホテル内でも睡眠に関する商品の提供などを行っている。

自動販売機も、各社の「睡眠の質向上」に効果をもたらすとする飲料や睡眠グッズなどを販売

 ナインアワーズは、全国に13店舗展開。これまで複数店舗に睡眠解析できるカプセルユニットを複数店舗にて導入しており、これまで累計10万人の解析データを保有する。今回のNTTデータの協業により、脳波センサーやNTT物性科学基礎研究所が開発中の深部体温センサーなどの最先端センサーテクノロジーも活用する予定。