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Google、ウェブ検索の「AIによる概要」(AI Overviews)を日本などでも提供

「検索結果がより役立つと感じられ」「訪問するサイトでり多くの時間を費やす」と説明

 Googleは8月16日、ウェブ検索の結果に生成AIによる概要を表示する「AIによる概要」(AI Overvies)の、日本などでの提供開始を発表した。

 2023年に試験運用を開始した「生成AIによる検索体験」(SGE:Search Generative Experience)の正式サービス版にあたり、2024年5月のGoogle I/Oで発表され、米国でのみ提供されていた機能。今回発表されたのは、日本のほか、英国、インド、インドネシア、メキシコ、ブラジルの系6カ国への提供拡大と各国の言語への対応で、今後、数週間かけて段階的に展開する予定だとしている。

 編集部で確認したところ、8月16日午前時点で、モバイルのウェブブラウザー(Google Chrome)の検索結果画面で「Search Labs | AIによる概要」として、検索結果に生成AIによる概要が表示された。これは「Search Labs」の機能と表示されることから、正式サービスとしての「AIによる概要」とは異なるものとみられる。

編集部で確認した「Search Labs | AIによる概要」の表示

 このような機能が登場することで、ユーザーが気になるのは、概要の質(概要としてまとめられた情報の妥当さや、ハルシネーションなど誤情報が混入しないか)だ。また、ウェブサイトの運営者としては、ユーザーが概要で満足し、ウェブサイトに遷移しなくなるのではないかという点も気になるだろう。これらについて、Googleは次のように説明している。

 概要の質について、Googleは「検索におけるAIによる概要は、Googleが信頼性の高い高品質の情報を提供するために数十年にわたって改良してきた、Googleの中核となる品質および安全システムに根ざしています」と説明。今回提供拡大を発表した国々における試験導入では、AIによる概要を使用した検索が好まれており、検索結果がより役立つと感じられているとしている。

 ウェブサイトへの遷移については、「AIによる概要を使うと、人々はより複雑な質問を聞き、より多様なウェブサイトにアクセスしていることがわかっています」と説明。AIによる概要が表示された検索結果からユーザーが訪問するウェブサイトでは、より多くの時間を費やす可能性が高く、ウェブサイトにとってより質の高いものになるとしている。

 検索したユーザーがウェブサイトに遷移しやすくするため、ウェブブラウザ版のAIによる概要では、テキストの右側にリンクを表示する機能を、順次展開するとしている。

 Googleでは、AIによる概要を含め、「人々にとって最も役立つ情報を表示するさまざまな方法を引き続きテストし、関連するウェブサイトへのトラフィックを促進するアプローチを優先」していくとし、ユーザーからのフィードバックを受け手体験を洗練sあせていくと述べている。