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NICTとサイレックス、国内初となるSRF無線プラットフォームの製品化を支援する環境を提供
実際の製造現場に近い環境で無線アプリケーションの試験が可能に
2024年9月19日 06:30
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)とサイレックス・テクノロジー株式会社は9月17日、サイレックス・テクノロジー株式会社内の無線製品開発施設「THE BASE for 5G and Wireless」(THE BASE)に、国内初となるSRF(Smart Resource Flow)無線プラットフォームを使ったアプリケーションの試験が可能で、SRF無線プラットフォームを使った製品の開発を支援する環境の提供を開始した。
SRF無線プラットフォームとは、ローカル5G、Wi-Fi 6、IEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLow)など、多様な規格の無線機器や設備をつなぎ、安定動作させるためのシステム構成のこと。SRFとは、マルチレイヤ―システム分析を用いて、製造にかかわる人や機器、エネルギー、通信などの資源がスムーズに流れるよう管理するシステム工学戦略のこと。SRF無線プラットフォームの技術仕様は、FFPA(Flexible Factory Partner Alliance:製造現場のIoT化を推進する国内企業らによる団体)により策定された。
製造現場では、生産効率向上のため無線通信を用いたアプリケーションの導入が進んでいるが、電波の干渉や遮蔽の影響により通信品質が不安定になり、現場で遅延やスループットの悪化が発生することがある。その結果、製造ラインが停止するなどの影響が発生し、かえって生産効率が低下してしまうこともある。
このような事態を避けるため、複数無線通信が行われている環境で通信の評価などを行う必要があったが、これまで、製造現場の実環境で評価を行うことは難しかった。そこで今回、ローカル5GやWi-Fi 6、802.11ah(Wi-Fi HaLow)対応の製品開発を行うサイレックスのTHE BASE内部に、SRF無線プラットフォームの製品化をサポートする環境を整え、実環境に近い環境での評価を可能にした。
試験環境では、SRF無線プラットフォームを使ったアプリケーションの試験が行えるのに加えて、NICTが開発した3次元の無線可視化環境も提供され、試験結果の可視化もできる。両者は、この環境を通じて実環境における無線利用の課題抽出を可能にし、SRF無線プラットフォームを用いた製品化をサポートするとしている。