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NTT、既存光ファイバーと同サイズで大容量化を実現する4コアMCFの建設・運用・保守技術をラインアップ化
2024年11月25日 06:50
日本電信電話株式会社(NTT)は11月15日、マルチコア光ファイバー(MCF)技術の実フィールド環境における建設・運用・保守技術をラインアップ化したことを発表した。これにより、将来的な大容量光伝送に向けて、MCFを用いた陸上・海底システムの大容量化需要にも対応できるとしている。
「ラインアップ化」とは商業導入に必要な技術を確立したことを指す。同社では現在の光ファイバーと同じ細さの4コアMCFの研究開発を進めているが、商用導入にあたっては、現場における建設・保守・運用技術の確立が課題となっていた。
また、MCFの初期導入には既存(1コア)の光ファイバーとの相互接続技術も不可欠であり、不慮の事故や故障にも迅速に対応できるよう、現場(オンサイト)で利用可能なレベルでの相互接続技術の確立が求められる。
4コアMCFによる光伝送路の建設・保守・運用のための技術を確立
今回確立した技術は、既存の光ファイバーと同じ細さで4個のコアを多重したMCF技術と、直径約20mmの中に最大8000コア(4コアのMCF2000心)を実装できる細径高密度光ケーブル技術。これに加えて、MCFの接続・分岐に関する要素技術として、「側面画像調心技術」「FIFO(Fan-in-Fan-out)デバイス技術」の2つも確立した。
側面画像調心技術は、対向する2本の4コアのMCFの側面画像を観測・解析することにより、4つのコアの位置を特定し、自動でコアの位置を回転調心するもの。光ファイバー融着接続器に組み込むことにより、現場でMCF同士の恒久接続を実現できる。
FIFOデバイス技術は、石英系PLC(Planar Lightwave Circuit)導波路を積層した独自の2層構造を用いて、1本の4コアMCFと1個のコアをもつ既存光ファイバー4本との合分岐を行う。
さらに、先述の接続および合分岐技術を生かし、地下クロージャ(地下に配置する、配線された光ケーブルの分岐点に設置する機器)や局内接続架における要素技術も確立した。これにより、地下クロージャをMCF化する際、既存の地下クロージャの基本構造を流用することができる。また、局内接続架においても、局内設備で終端し、前述のFIFOデバイスを介して、既存の光ファイバーとの相互接続を実現し、接続架の収容面積を4分の1以下に集積化できるとしている。