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ウェブサービスのトリガーになる鍵穴デバイス「Hackey」、Cerevoが販売開始

 株式会社Cerevoは28日、ウェブサービスのトリガーや通知デバイスとして使える鍵型スイッチ「Hackey」を発売した。同社直販サイト「Cerevo official store」にて同日より販売開始した。価格は9980円(税別)。

 また、indiegogoにてプロモーショナルプレオーダーを開始。256個限定で59ドルで販売する。日本からの注文は送料無料。

鍵型スイッチデバイス「Hackey」
Hackeyを持つCerevo代表取締役社長の岩佐琢磨氏

 Hackeyは、Wi-Fiモジュールを内蔵したスイッチデバイス。本体のみでインターネットに接続でき、HTTPリクエストの受け取りが可能なウェブサービスのトリガーとして利用可能。オンとオフの2種類の信号のみ送信可能とシンプルで、非エンジニアのユーザーでも簡単にウェブサービスと連携できるよう配慮されている。また、本体にカラーLEDを内蔵し、5色の色を使い分けてウェブサービスの通知・更新・変化などを表示する。

 Hackeyの初期設定はPCからWi-Fiでダイレクト接続で行い、接続するアクセスポイントなどを登録する。スイッチが押された時の動作(連携するウェブサービスの指定)や通知(LEDのカラーなど)の設定については、ウェブ上の「Dashboard」で行う。指定できるチャンネルは、オンとオフの2種類で、デバイスレスでのテストもDashboard上で実行可能。

 Hackeyの鍵パターンは100種類で、そのうち1種類の鍵を2個同梱する。より強固な鍵穴のカスタムなどは都度相談としている。鍵穴のスイッチ部分は16mmのパネルマウントを採用しており、押しボタンスイッチなどに変更できる。電源はmicroUSBポート経由で供給し、ACアダプターのほかモバイルバッテリーでも利用可能。

APIを公開している各ウェブサービスと連携可能
鍵部分は16mmのパネルマウントを採用したスイッチに交換可能

 また、ウェブサービス同士を連携させるハブサービス「IFTTT」や「Zapier」と連携することで、「鍵をひねってTwitterにメッセージを送る」「天気予報の結果をLEDで表示する」といったカスタマイズが可能。今後、各サービスのAPIの公開次第でによっては、「タクシーアプリと連携して、ボタンを押すと指定位置に配車してくれる」といったことや、「ボタンを押すと特定の商品の注文が完了する」といった「Amazon Dash」のような使い方も考えられる。

 そのほか、ヤフーのIoTプラットフォーム「myThings」にも対応予定。myThingsは、ウェブサービスの窓口になる「チャンネル」を組み合わせることで、複数のウェブサービスと連携できるスマートフォンアプリ。各種ウェブサービスに対応したチャンネルのほか、Arduinoなど自作デバイスも組み合わせられる「IDCFチャンネル」も用意する。年内にはHackey専用のチャンネルを設ける予定だ。

 Hackey自体は、ウェブサービスに対して1つの信号しか送信できないが、IFTTTやmyThingsを使うことで、複数のウェブサービスに同時に信号を出すことができる。

鍵を回すと、IFTTT経由でスマートフォンに通知するデモ
「トイレットペーパーがない」を忘れないよう、気付いたタイミングでボタンを押すとSlackに「トイレットペーパーを買おう」と伝言を残すデモ
「myThings」を利用し、HackeyからArduinoの自作デバイスを操作するデモ。myThingsの「IDCFチャンネル」を経由している
Hackeyに対応したチャンネルがまだ存在しないため、Hackeyの動作もIDCFチャンネルを経由している。Hackeyを「トリガー」として、Arduinoに「アクション」の指示と同時に定型文のメール送信を行う
Hackeyの「Dashboard」画面。スイッチのオン/オフ時にどういったURLにアクセスするか、LEDの通知設定などをカスタマイズできる。指示は「アクション追加」から複数追加可能(有効化できるのはオン/オフ1つずつのみ)
「myThings」の概要
現在33のサービス/デバイスが利用可能。それぞれのサービスは「チャンネル」として、myThings内で組み合わせ可能
Hackeyが、各チャンネルのトリガーとして利用できるHackey専用チャンネルを年内提供予定
利用例

(山川 晶之)