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東京都とNTT東日本、公衆電話ボックスを活用してOpenRoaming対応公衆Wi-Fiを整備する協定を締結

「つながる東京」の一環として1500カ所を整備

 東京都とNTT東日本株式会社は8月27日、「公衆電話ボックスを活用したOpenRoaming対応Wi-Fiの整備・普及啓発等に関する基本協定」を締結したことを発表した。

 東京都では、通信基盤を「電気・水道・下水道・ガスに並ぶ基幹的インフラ」と位置付けており、2023年から光回線や5G、衛星通信回線、そして公衆Wi-Fiといった通信手段を活用し、都内全域でいつでも・誰でも・どこでもインターネット環境が使える「つながる東京」の実現に向けた取り組みを進めている。今回の協定は、この取り組みの一環であり、公衆電話ボックスに公衆Wi-Fiアクセスポイントの役割も持たせ、OpenRoamingに対応した公衆Wi-Fiを都内全域に広げていくことを目指すものとなる。

 東京都内にある公衆電話ボックスは2024年3月31日時点で1万1998台。このうちの山手線の主要駅や島しょ部、公園を中心とした約1500台に、3年間でOpenRoamingに対応したフリーWi-Fiアクセスポイントを設備を整えていく。OpenRoaming対応の公衆Wi-Fiを整備した電話ボックスにはステッカーが貼り付けられる。災害時における通信インフラとしての拠点のほか、平常時の利用も想定しており、早くて今年の11月には利用できるよう整備を進めるとしている。

 締結後、小池百合子都知事は「災害時の通信を確保するのは最優先事項だ。また、インバウンドの方々にとっての命綱にもなると考えている」と述べた。さらに、災害時だけでなく日常的にも活用してもらうことで、「つながる東京」として充実した通信が提供できるとした。

 NTT東日本の澁谷直樹社長は「災害時において、公衆電話は通信手段としての活用が重要とされている一方、平常時ではなかなか使われない。今回のようにWi-Fiスポット化することで、既存の公衆電話を生まれ変わらせることができる」と期待を述べた。

 OpenRoamingは、Wireless Broadband Alliance (WBA)とその参加企業が共同開発した国際的な無線LANローミング(相互接続)基盤。一度接続設定を行うことで、国内外の300万スポット以上あるOpenRoaming対応のWi-Fiサービスを、自動で利用できるようになる。