携帯音楽プレーヤーの安全な音量、EUが標準策定へ
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は28日、携帯音楽プレーヤーの音量について安全基準を策定する方針を発表した。
長時間にわたる大音量での使用によって聴力障害を引き起こさないよう、安全な音量のデフォルト設定をとり決める。音量と使用時間の関係により、音量が80デジベルならば1週間に40時間、89デジベルならば同じく5時間を超えてはならないことを明確化する。
なお、ユーザーは、自ら選択してこのデフォルト設定を超えて使用を続けることも可能だという。ただし、その際にユーザーに対して危険性を明確に警告する機能が求められる模様だ。
策定する標準は、すべての携帯音楽プレーヤーと、音楽再生機能を持つ携帯電話が対象となる。欧州委員会は今回、標準団体のCENELECに検討を依頼。最長2年間かけて、研究者やメーカー団体、消費者団体とともに策定にあたる。なお、このEU標準は義務ではないが、デファクトスタンダードになるとしている。
EUの科学委員会は2008年10月、長期間にわたって大音量で携帯音楽プレーヤーを使用することが恒久的な聴力障害につながる可能性があると警告を発していた。EUにおいて携帯音楽プレーヤーを毎日使用しているユーザーは1億人とも言われており、そのうち大音量で1日1時間以上利用している5~10%、最大で1000万人がその危険にさらされているとしている。
関連情報
(永沢 茂)
2009/9/30 11:34
-ページの先頭へ-