Evernoteが日本法人設立、画像データの日本語認識機能の提供も
米EvernoteでCEOを務めるPhil Libin氏 |
米Evernoteは23日、100%出資の日本法人「エバーノート株式会社」を設立したと発表した。ソニーのVAIOビジネス部門戦略を担当していた中島健氏をバイスプレジデントに迎え、サービス強化や開発パートナーとの関係構築を図る。会長にはアップルジャパンのマーケティング本部長などを務めた外村仁氏が就任した。社員は年内に5人を採用する予定。
米Evernoteは、テキストファイルやスキャナーで取り込んだ文書、デジタルカメラで撮影した写真、PDFファイル、音声データなどをアップロードしてオンライン上に保存し、PCやスマートフォンなど、さまざまなクライアントで同期するサービス「Evernote」を提供している。
3月には日本語版サービスを開始。国別のアクティブユーザー数では米国の57%に次いで、日本が18%と2番目に多い。ちなみに3位はスペインで4%となっており、4位以下の英国やカナダ、ドイツ、中国など10カ国のアクティブユーザー数を合計しても、日本を下回るという。
米EvernoteでCEOを務めるPhil Libin氏は日本法人設立について、「日本市場はEvernoteの今後を担う大きな役割を持つ。特に私が感銘を受けているのが、日本人のユーザーや開発者コミュニティが見せる才能や創造性。APIパートナーの半分は日本の企業だ。彼らのアイデアが世界進出の鍵を握ると言っても過言ではない」と期待を寄せた。
現在のユーザー数は世界で約350万人。主な収益源はプレミアム会員(月額5ドルもしくは年額45ドル)の利用料金だ。有料ユーザーの比率は、Evernoteの利用期間によって異なるといい、使い始めて1カ月のユーザーでは0.5%と低いが、1年間使い続けているユーザーでは8%近くが有料会員に移行したという。
Evernoteの国別アクティブユーザー数の割合。日本は米国に次いで2位。全体の19%を占める | 日本のアクティブユーザー数は、スペインや英国など3位以下の10カ国の合計ユーザー数を上回る |
Evernoteユーザー数の推移 | Evernoteの利用期間ごとの有料会員の割合 |
同社はこのほか、Evernoteにアップロードした画像データ中の日本語をテキストとして認識できる機能を23日に追加した。日本語の印刷文字を含む画像について、キーワード検索ができるようになった。現時点では主に日本語の印刷文字のみをサポートしているが、今後は手書き文字の認識を強化するとしている。
23日に開かれた記者会見には国内のパートナー企業も参加。ソースネクスト、NECビッグローブ、アイティメディア、ぐるなび、ぺんてる、バリューイノベーションの6社が、Evernoteと連携した製品・サービスを発表した。
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(増田 覚)
2010/6/23 17:17
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