米Google、大英図書館が所有する25万冊の書籍をデジタル化


 米Googleと大英図書館は20日、同図書館が所有する25万冊の書籍をデジタル化することで提携した。著作権切れの書籍をGoogleがデジタル化し、英国版「Google Book Search(Googleブック検索)」および大英図書館のサイトから無料で閲覧できるようにする。デジタル化の費用はGoogleが全額負担する。

 デジタル化するのは1700年から1870年までに発行された書籍や小冊子、定期刊行物。この中にはマリー・アントワネットに関する小冊子などが含まれている。主要な欧州言語の書籍に加え、オンライン上で自由に利用できる状態になっていない書籍を中心にデジタル化していく。

 デジタル化した書籍は世界中から全文検索や閲覧、ダウンロードが可能となる。また、非商用目的であれば、テキストのコピーや共有も行える。今後は欧州連合(EU)の欧州委員会が運営するマルチメディア図書館ポータルサイト「Europeana」でも公開していく予定だ。

 今回の提携は、大英図書館が民間企業と連携して、蔵書をデジタル化する取り組みの一環。最近ではBrightsolid社と提携し、4000万ページの新聞をデジタル化した。また、Microsoftとの提携により、19世紀に発行された6万5000冊の書籍をデジタル化し、一部をiPad用アプリとして公開している。

 一方、Googleは世界各地の図書館の蔵書をスキャンし、検索可能にするプロジェクトを進めており、これまで世界で40以上の図書館と提携してきた。日本では2007年7月に慶應義塾図書館と提携し、同図書館が所有する書籍の一部がGoogleブック検索で閲覧可能となっている。


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(増田 覚)

2011/6/21 15:10