9割の学校がIT活用も、緊急時の保護者への連絡手段としてはあまり活用されず


 NTTレゾナント株式会社は14日、東日本エリアに居住する中高生の保護者を対象とした「震災時の学校とのコミュニケーションに関する調査」の結果を発表した。調査はインターネットアンケートサービス「gooリサーチ」を使って行われ、有効回答者数は350人。調査期間は10月27日~31日。

 NTTレゾナントでは、教員・生徒・保護者がそれぞれIDとパスワードを持ち、インターネットを活用した学校専用の環境でメールによる連絡を行えるウェブサービス「ウェブでお知らせ」を提供している。

 調査によると、学校と保護者間のコミュニケーションツールとしてのIT活用状況については、「一般に公開された学校ホームページ(パソコン向け)」が67.4%、「一般的なメールを使用した一斉配信」が21.4%、「IDとパスワードでログインが必要な学校から家庭へのメール一斉配信システム」が17.7%など。全体で9割の学校がITを活用している。

 一方、3月11日に発生した東日本大震災時の学校と保護者間の連絡では、「連絡はなかった」が56.9%、「連絡が取れなかった(電波状況の不具合も含めて)」が15.4%と、7割以上の保護者が学校との連絡がなかったと回答。学校との日常の連絡手段としてIT活用は進んでいるが、緊急時においてはうまく活用できていないことが示唆されるとしている。

 学校とメールでコミュニケーションを取ることへの不安点としては、「メールアドレスを変更した際、学校に知らせるのが面倒」(44.3%)、「1つのメールアドレスだけでは、届かない・見逃してしまう恐れがある」(34.0%)、「個人のメールアドレスを学校や他の保護者に知られたくない」(30.6%)などが意見として多い。

 震災後、学校側からの緊急連絡の方法について変更があったかを尋ねた質問では、震災後に「変更があった」が8.9%、「検討中のようだ」が4.9%と、1割強の学校が緊急連絡方法を変更している。一方、家庭内で子供と緊急連絡の方法を話し合ったかという質問では、「話し合った」という家庭が64.3%あり、実際に変更した家庭も22.0%となった。

 子供の携帯電話の所有については、「震災後から持たせるようになった」が4.9%で、「震災前から持たせている」の74.9%と合わせて、約8割が携帯電話を所有している。一方、学校側の携帯電話の所持許可は、「震災後から許可するようになった」が3.1%で、「震災前から許可している」の50.6%と合わせると53.7%となっている。


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(三柳 英樹)

2011/11/15 06:00