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「Photoshop CS6」からCSSのコピペが可能に、Retinaディスプレイ対応も

 アドビシステムズ株式会社は12日、同社のクリエイティブ系ソフトウェアを会費制で提供するサービス「Adobe Creative Cloud」のアップデートを実施し、同サービスで提供している画像編集ソフト「Photoshop CS6」への機能追加を行った。Windows 8/7/XP、Mac OS X 10.8/10.7/10.6.8に対応する。

 Creative Cloud向けに提供するPhotoshop CS6は、Photoshopのバージョン13.1に相当する。このバージョンの新機能としてはまず、ウェブデザイナーなどに重宝するCSSのサポートが挙げられる。

 Photoshopでウェブページのデザインを作成し、メニューから「CSSをコピー」を選択することで、そのオブジェクトを記述するCSSコードをテキストとしてコピーすることが可能だ。それをウェブページエディターなどにペーストするだけで、例えばテキストのドロップシャドウや角丸のシェイプなどのデザインも簡単に再現できるとしている。

 古くからのPhotoshopユーザーにうれしい機能としては、「アクションパネル」の機能強化がある。アクションとは、Photoshopで画像ファイルに対して行った操作手順を記録しておくことで、同じ処理を別のファイルに対しても自動的に適用できる機能。1996年のバージョン4から搭載されている。

 今回のアップデートでは、「条件付きアクション」を設定できるようになった。例えば、画像が縦位置だった場合、カラーモードがCMYKモードだった場合……といった条件を定義した上で、次の処理を適用するかどうかを規定できるようになった。

 アドビによると、プログラマーであれば簡単なスクリプトを自分で書いて対応できるような処理だとしているが、Photoshopのユーザーはデザイナーや写真家などが多い。こうした非プログラマー層のユーザーにおいては、同じ処理を大量のファイルに対して施す単純作業を行うのに、古くからの機能であるアクションが重宝されているのだという。

 Mac版では、MacBook ProのRetinaディスプレイなど、高解像度のHiDPIに対応。UIのメニューなどの文字が鮮明に表示できるようにした。なお、この機能強化については、Creative Cloud向けだけでなく、パッケージ版/ライセンス版を含めてすべてのPhotoshop CS6のユーザーおよび「Illustrator CS6」のユーザーにも提供する。

 このほかにも、元の画像データを保持したままレイヤーとして画像の回転や縮小・変形などの処理が行える「スマートオブジェクト」機能において、「ぼかしギャラリー」と「ゆがみフィルター」の処理も使えるようになった。また、3D系の描画機能なども強化されているという。なお、3D機能と一部のGPU対応機能、Creative Cloud会員向けの限定機能はWindows XPには対応していない。

(永沢 茂)