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「Pinterest」日本語版サービス開始、カテゴリーを日本向けに拡充

 画像共有SNSの「Pinterest」は12日、ウェブサイトおよびモバイルアプリの日本語版を公開した。

Pinterest

 Pinterestは、ユーザーが興味のあることや趣味などのテーマ別に画像を「ピン」してコレクションし、他のユーザーと共有できるサービス。コレクションは「ピンボード」として管理・共有でき、他のユーザーのボードを閲覧して、そのボードの上で気に入ったピンを自分のコレクションに「リピン」することができる。

 日本語化にあたっては、日本のユーザーコミュニティの協力を得て、製品に関するフィードバックを受けてインターフェイスを改善。サイトやアプリのメニューの日本語化のほか、日本語による検索機能を改善。日本に向けたカテゴリーやサブカテゴリーを追加した。

 既にPinterestを利用しているユーザーの場合は、ユーザー名をクリックして設定(Settings)メニューから言語(Language)で日本語を選択することで、日本語メニューで利用できる。

ユーザーの「入り口」になるカテゴリーを日本向けに大幅拡充

 Pinterestでは日本語版サービスの提供開始に合わせて、日本法人となる「ピンタレスト・ジャパン株式会社」を設立し、定国直樹氏が代表取締役社長に就任した。

ピンタレスト・ジャパン代表取締役社長の定国直樹氏

 Pinterestは2010年3月に米国でサービスを開始し、全世界で約5300万人のユーザーが利用している。日本法人は英国、フランスに続く3カ国目の設立で、ウェブサイトやモバイルアプリも日本語化して日本向けのメニューを開始した。

 日本法人の社長に就任した定国氏は、Pinterestを「アイデアやひらめきを得る場合に役立つサービス」と表現する。「例えば、快適な部屋はどういうものであるかとか、今晩何を食べようとか、今日どういう服を着ていこうかとか、そういった何かしら新しい発見であるとか、今日どうしようというアクションを起こすためのインスピレーションを求めるという時。Pinterestはまさにそこをサポートしようとしています」(定国氏)。

 基本的には、ユーザーが自分の好きなものや趣味の画像などを「ピン」していくサービスだが、同じ画像をピンしている他のユーザーといった情報を見ることができ、趣味や興味を中心とした「インタレストグラフ」が、アイデアやインスピレーションに役立つという。

 定国氏によると、サービス開始当初はPinterestも画像の「コレクション」を中心にサービスを考えていたが、画像の集め方がユーザーによってまったく異なることや、ユーザー間での情報交換が始まるなど、「Pinterestがユーザーに学んだ」ものがインタレストグラフであり、現在ではこうしたユーザー間のつながりをサービスの中心になっているという。

 新しいサービスであるため、Pinterestは何から始めたらいいかわからないというユーザーには、「とにかくまず、自分の好きなものをピンしていくことから始めていただければ」(定国氏)と語り、最初の入り口としては「カテゴリー」が用意してあるので、まずはここから自分の関心のあるカテゴリーを眺めて、気に入ったものをピンしていくことで、徐々に使い方がわかってくるのではないかとした。

 特に、日本向けサービスの開始にあたってはカテゴリーを充実しており、「日本の伝統芸術」「マンガ」といったカテゴリーのほか、米国よりもさらにサブカテゴリーの分類を細かくしたという。特に、日本ではファッション関連の利用が多く、米国では「Women's」だけの分類になっているようなカテゴリーを細分化するなどの施策を行っているという。

日本向けに「カテゴリー」を拡充

 日本においては、楽天株式会社が2012年5月にPinterestに出資しており、商品写真をPinterestに投稿できる「Pin it」ボタンを「楽天市場」に設置するなどの動きも進んでいる。今回、日本向けサービスを開始したことで、「楽天とはこれからさらに何ができるかを協議していく」(定国氏)とともに、国内の様々なサービスにも「Pin it」ボタンの設置を働きかけていくという。また、米国では百貨店で「Pinterestで最もピンされた商品」といった店頭ディスプレイが行われるなど、リアルとの連動も進んでおり、こうした展開についても日本で進めていきたいと語った。

(三柳 英樹)