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音楽ファイルの違法P2Pで女性送検、父親が「Cabos」手ほどき

 ファイル共有ソフト「Cabos」で音楽ファイルなどを違法アップロードしていた28歳の女性を、北海道警察本部サイバー犯罪対策課などが16日、札幌地方検察庁に送致した。一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が17日、発表した。同協会が管理する楽曲の著作権(公衆送信権)を侵害していたために2013年10月末に告訴していたもの。

 警察の調べによると、この女性は、JASRACの管理楽曲を収録した音声ファイルや映像ファイルを、延べ3800件以上ダウンロードするとともに、インターネット上にアップロードしていたという。さらに供述からは、父親の手ほどきを受けてCabosを使い始め、違法行為であることは認識しながらも、好きな音楽や映像を簡単に入手できることを理由に侵害を重ねていたことも分かってきたのだとしている。

 なお、この父親も娘に手ほどきをしていたということで自身もCabosを使用していた模様だが、今回は刑事摘発の対象にはならなかった。

 JASRACでは従来より、ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害行為を防止するための取り組みを展開。ファイル共有ソフトの利用が多いとされる若年層については、教育委員会や公的機関などを通じ、学校教育の中で情報モラルの観点から著作権啓発が進んできているという。

 一方で、ファイル共有ソフトを悪用した違法行為で刑事摘発された事例の報道を集計すると、30代・40代が多数を占めていたとのデータも、ネットエージェント株式会社が16日付で発表している。

 実際、JASRACが刑事告訴した案件でも30代や40代は多く、まれに50代も含まれるという。母親と息子が親子でCabosを使って著作権侵害行為を行っていた事例もあり、本来は教えるべき立場にある大人への著作権啓発の必要性も出てきている状況だ。

(永沢 茂)