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電子図書館サービスの蔵書、今のところ半数近くが“All About本”

「カーリル」が公立図書館22館の電子書籍を集計

 株式会社カーリルは26日、図書館の蔵書・貸出情報検索サイト「カーリル」において、公立図書館が提供する電子書籍サービスとの連携を開始した。あわせて、公立図書館の電子書籍サービスで提供されている書籍の統計データの公表を開始した。

電子書籍蔵書の検索例(カーリル公式ブログより画像転載)

 カーリルで検索した書籍が電子書籍として図書館に所蔵されている場合に「蔵書あり」と表示され、「予約する」ボタンから各電子書籍サービスにアクセスできる。現在、電子書籍サービスを提供している公立図書館29館のうち、22館に対応する。

 カーリルによると、公立図書館での電子書籍の導入が進んできている一方で、多くの図書館では紙の書籍の図書館システムとは別システムで運用されており、ISBNなどの書誌情報の整備も進んでおらず、検索しにくい状況だったという。カーリルでは、これらのデータを独自に集約して使いやすい形式のデータとして整備する取り組みを開始するとともに、そのデータを活用したサービス連携を開始したとしている。

 さらにカーリルでは今回、同社が整備したデータに基づく図書館の所蔵電子書籍コンテンツの統計データを公開した。

 調査対象の図書館が提供する電子書籍3万8547タイトルの出版社別比率で、「All About」の記事コンテンツが全体の46.7%を占めていることや、青空文庫(13.0%)、グーテンベルク21(10.6%)など、著作権切れ書籍の電子版が多く所蔵されていることなどが判明。一方で、それ以外のコンテンツの提供・導入についてはなかなか進んでいない実態も分かってきたという。

 こうした状況についてカーリルでは、「昨今導入された電子書籍サービスでは著作権処理が容易なコンテンツが、いわば『抱き合わせ』の状態で導入されている。このような実態を無視して、導入図書館数やコンテンツ数のみの評価を続けた場合、一般ユーザーの信頼を損ないかねない。また、DRMの実施主体や契約条件など不明確な点も多く、最終的なユーザー(市民)が置き去りとなっているのではないかと懸念される。図書館での電子書籍提供は、解決するべき課題や合意形成も多く存在している」と指摘。

 カーリルでは、図書館の電子書籍サービスの実態を正確に把握した上で議論を進められるよう、こうした統計資料をオープンデータとして公開していくという。

(永沢 茂)