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国会図書館、「孤児著作物」の著作者5万人の情報提供を求める公開調査を開始

 国立国会図書館は20日、「国立国会図書館デジタルコレクション」のサイトで公開している書籍などのうち、著作者の連絡先が分からない、いわゆる「孤児著作物」の著作者約5万人について、ウェブで情報提供を求める「著作者情報公開調査」を開始した。

著作者情報公開調査のページ

 国立国会図書館では、1968年までに受け入れた戦前期・戦後期刊行図書、議会資料、法令資料、児童書のうち、約90万点をデジタル化しており、このうち約35万点の画像を「国立国会図書館デジタルコレクション」のサイトで公開している。

 公開にあたっては、著作権者の連絡先を調査し、著作権の確認を行っているが、これらが確認できない著作物については、著作権法第67条に基づく文化庁長官の裁定を受けて公開している。

著作権の確認の流れ

 今回、過去に文化庁長官裁定を受けてインターネット公開しているものについて、2015年度および2016年度に裁定期間が終了することに伴い、公開を継続するために、現在も生没年や著作権者の連絡先が分からない著作者約5万人について、「著作者情報公開調査」を開始した。

 調査対象は、主に戦前期までに出版された資料で、著作権保護期間中、または著作権状況が不明の著作物。著作者は約5万人、著作物は約8万タイトルに上る。

 調査の結果、著作者の没年などが判明し、保護期間満了が確認できた著作物については、「国立国会図書館デジタルコレクション」でインターネット公開を継続する。その他の著作物については、著作権者の連絡先が判明した場合にはインターネット公開するための許諾を依頼し、連絡先が判明しなかった場合にはインターネット公開するための文化庁長官の裁定手続きを行う。

(三柳 英樹)