特別企画
サーバーって難しそう? いえ、実はカンタンです!
NOWing SERVERで今スグ始める中小企業の業務改善
(2)外出先からも社内のデータにアクセスOK! モバイル&事業継続対策
(2013/4/22 06:00)
企業の成長を阻むムダを排除
「社に戻ってから資料を送ります」
「ゴメン、ちょっと××フォルダのファイル開いて○○の項目見てくれない?」
「現場の動画を社に送りたいんだけど大きすぎて送れない……」
自社のオフィスから離れ、外出先で仕事をする機会が多い人にとって、もしかすると、このようなやり取りは日常的なものかもしれません。
しかし、取引先と自社を往復する時間とコストのロス、電話口で人に操作を説明する効率の悪さや情報の不確実性、やりたいことを実現するための方法の欠如など、このようなビジネス上のムダは、単に生産性の低下を招くだけでなく、ビジネススピードという企業の成長に欠かせない重要な要因の1つをみすみす失っていることにもなりかねません。
もちろん、このようなムダを解消するための方法論はいくつもあることでしょう。しかし、前回紹介した社内の情報共有やバックアップの例と同じく、管理者不在の中小規模のオフィスでは、さまざまなクラウドサービスやデバイスを個々の社員が個別に利用することは、結果的にデータの散在による非効率化、およびデータ紛失や漏洩などのリスクにつながりやすくなります。
つまり、社内共通のワンストップのソリューションを用意することが重要になるわけです。そこで、活用したいのが、社内に設置したサーバーを活用したリモートアクセスソリューションです。
外出先から、インターネット経由で社内のサーバーにアクセスできるリモートアクセス環境を整えることで、社内のサーバーに保存されている必要な資料に外出先からアクセスしたり、自分のPCのデータにアクセスしたり、大容量のファイルをサーバーとの間で直接送受信することなどができるようになります。
このようなリモートアクセス環境は、かつては高価な専用機器を用意したり、複雑な設定が必要でしたが、現在ではサーバーOSの機能を使って、簡単に構築することができるようになりました。
前回に続いて、ここではWindows Server 2012 EssentialsをプリインストールしたTEKWINDの「NOWing SERVER for SMB Generation 2(以下NOWing SERVER)」を例にとって、リモートアクセス環境設定をご紹介します。追加機器不要、複雑な設定なし、専任の管理者不在で使えるリモートアクセス環境の使い方を実際に見ていきましょう。
ウィザードで簡単に設定可能
リモートアクセスは、インターネットを利用し、外出先などからサーバーに保存されているデータにアクセスできるようにする機能です。
インターネットに接続できさえすれば、いつでもどこからでも自社のデータにアクセスできるので、外出先や出張先での業務に活用できるだけでなく、災害時などで公共の交通機関が利用できないような時でも社外から会社のデータにアクセスして業務を継続する事業継続に役立てたり、社員に自宅での仕事を許可する在宅ワーク環境の導入にも活用できます。
利用するための設定は簡単です。通信機器の設定を変更したり、不正なアクセスを防止するためのセキュリティ設定などは基本的に自動的に実行することができるので、NOWing SERVERに搭載されているWindows Server 2012 Essentials上で、ウィザードによる簡単な設定だけで、環境を構築することができます。
1)Anywhere Accessのセットアップ開始
NOWing SERVER本体にディスプレイやマウス、キーボードを接続してログインするか、ネットワーク上のパソコンからスタートパッドを利用して、管理者アカウントでダッシュボードを表示。「ホーム」タブで「Anywhere Accessのセットアップ」をクリック後、さらに「クリックしてAnywhare Accessを構成する」をクリック。
3)ドメイン名を登録
ドメイン名とは、外出先からアクセスする際に指定する自社サーバーの名前のこと。Windows Server 2012 Essentialsでは、「任意の英数字.remotewebaccess.com」のような無料で利用できるドメイン名を取得できるので「Microsoftから個人用ドメイン名を取得する」を選択して、ドメイン名を登録する。ここで登録するドメイン名については、このサーバーを使うメンバーが覚えやすい会社名や、会社や部署の略称などをドメイン名にしておくと良いだろう。
4)アクセス方法を選択
Windows Server 2012 Essentialsでは、「VPN」と「リモートWebアクセス」の2種類のアクセス方法を選択できる。より安全性が高いのはVPNだが、手軽なのはリモートWebアクセス。両方有効にして、用途によって使い分けることもできる。
5)設定完了
設定が自動的に実行され、結果が表示される。利用している通信機器によっては、手動で設定が必要な場合もあるので、メッセージを参考に手動設定する。
外出先からサーバーのファイルにアクセス
続いて、外出先から社内のサーバーにアクセスして、ファイルを参照してみましょう。
1)ブラウザでアクセス
PCがインターネットに接続されていることを確認後、ブラウザを起動して、「https://任意の英数字.remotewebaccess.com」のように、Anywhare Accessのセットアップ時に取得したドメイン名を指定してアクセス。「https://」である点に注意。ユーザー名とパスワードの入力が求められるので、サーバーに登録してあるユーザーアカウントでログオンする。
リモートデスクトップやタブレットからのアクセスも可能
このように、Windows Server 2012 Essentialsを搭載したNOWing SERVERを利用することで、手軽に社内へのリモートアクセス環境を構築することができます。
あらかじめダッシュボードの「ユーザー」から、アカウントのプロパティを表示し、「コンピューターアクセス」でアクセスを許可するパソコンを指定しておけば、外出先のPCから、社内の自分のパソコンにリモートデスクトップで接続することもできるので、サーバーだけでなく、自分のPCのアプリやファイルを外出先から参照することもできます。
また、アクセスには汎用的なブラウザを利用できるため、iPadなどのタブレット端末やiPhoneなどのスマートフォンを利用して、外出先から社内のサーバーにアクセスすることもできます。
スマートフォンやタブレットなどを外出時の情報端末として利用する機会が増えてきたことを考えると、このような端末でも利用できるメリットは大きいと言えるでしょう。
社内にサーバーを設置するメリットを見直そう
以上、TEKWINDのNOWing SERVER for SMB Generation 2を実際に使いながら、中小規模の企業で、どのような活用が可能かを実際に見てきました。
おそらく、社員が25人以下の中小規模の環境では、これまでコストや専任の管理者が不在であることなどから、サーバーを利用したことがなかった場合がほとんどと言えるでしょう。
しかし、現在、入手可能なサーバーは、今回取り上げたNOWing SERVERのように、いままでの専門知識なサーバーとは、かなりイメージが異なる手軽な製品となっています。コンパクトで、静音性が高く、価格もリーズナブルでありながら、ファイル共有、バックアップ、リモートアクセスなど、さまざまな機能をオールインワンで備え、簡単な設定をするだけですぐに業務に活用することができます。
もちろん、必要最低限の設定やトラブルの際に窓口に問い合わせをする担当者を社内で決めておく必要はありますが、高度な専門知識が必要ではないため、普通にパソコンを使える程度の人で十分に対応することができます。
むしろ、不慣れな担当者で社内のシステムを運営することを考えると、さまざまなクラウドサービスを使うよりも、サーバーにすべての機能を集約する方が、管理の手間もかかりません。
また、今回は紹介しきれませんでしたが、このほかに映像や写真などのメディアをネットワーク上で共有できるメディアサーバー機能を活用したり、マイクロソフトのクラウドサービスであるOffice 365と連携させることもできるので、業務に合わせて機能を拡張していくこともできます。
「社内の業務効率を改善したい」と考えているのであれば、まずは、このような手軽なサーバーを導入することから始めてみてはいかがでしょうか。