トピック
急増する「子どものPCトラブル」親も分からないのにどうしたらいい?「ワンランク上」のサポート窓口最新事情
LINEでのサポートも実施中、今やICT教育の悩み解決にも使われるように
- 提供:
- トレンドマイクロ株式会社
2021年12月17日 06:55
PCのサポートサービスというと、デジタルに苦手意識のあるシニア層が電話で問い合わせている……というイメージをお持ちの方もいるだろう。しかし、近年のスマホ普及やコロナ禍における急速なオンライン化に合わせて、ユーザー層に大きな変化が見られるようになった。
小中学校におけるICT教育の影響も出てきている。家庭学習や連絡用として子どもたちが自宅にPCを持ち帰るようになった結果、「慣れないソフトや端末の設定について親がPCサポートサービスを利用するケースが増えている」と語るのは大手セキュリティ企業であるトレンドマイクロ株式会社の平岩規男氏(セキュリティエキスパート統括下 コンシューマテクニカルサポート部 コンシューマサービスマネジメントセンター)。
同社ではセキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター クラウド」に加えて、24時間365日体制でデジタル機器の操作・設定方法やPCトラブルを解決してくれる“ワンランク上”のサポートサービスがセットになった「ウイルスバスター クラウド + デジタルライフサポート プレミアム」(以下、デジタルライフサポート)を提供している。
ユーザー層に変化が見えてきたというサポートサービスの裏側について、同社の平岩氏と内藤祥華氏(コンシューママーケティング本部 プロダクトマーケティング部 コンシューマプロダクトマネジメントグループ)に語ってもらった。
・コロナ禍で生活にも変化、深夜でもいつでも対応するために
・Chromebookなど、ICT教育で導入された端末特有の悩みが急増
・電話よりもLINEやチャットでの相談が増加
・子どもと一緒に家庭のセキュリティを守る方法を知ること
・幅広い問い合わせ内容に応えるための教育プログラムとナレッジ管理
・デジタルライフサポートは現代の駆け込み寺!?
コロナ禍で生活にも変化、平日の日中でも深夜でもいつでも対応するために
――早速ですが、セキュリティ対策ソフトに加えて、24時間365日体制でPCトラブルに対応する本格的なサポートサービスを始めたきっかけは何だったのでしょうか。
[平岩氏]ITやICTが生活に密着した「デジタルライフ」を安全に楽しんでいただく支援をどうしたらできるか、ということを考えたときに、セキュリティ面とは別に、多様なサービスや端末が増えていく中、デジタルライフ全般のサポートサービスを提供することで、よりユーザーに寄り添うことができるのではと考えました。
――「ユーザーに寄り添う」という意味では、24時間365日というサービスは手厚いですが、これはユーザーからの要望があってのものでしょうか。
[平岩氏]要望もありましたが、実際のところ、PCやデバイスを触る時間は夜間帯が多いと思います。生活も多様化している現在、デジタルライフでの困り事は昼間だけではなく深夜でも発生します。しかし、メーカーのサポートは平日の日中がほとんどで、遅い時間帯は他の人に聞きづらいという現状がありました。そうした困りごとを解消するために、24時間365日というフルサポートの提供を始めたのです。
――ちなみに、問い合わせの多い時間帯や曜日などはありますか。時期は、年末年始や春先が多いイメージですが。
[平岩氏]時間帯はバラバラですが、件数としては夜間より日中のほうが多いです。数年前までは休日のお問い合わせが多かったのですが、コロナ禍の影響もあり、平日でのお問い合わせも多く、皆さんのデジタルデバイスとの関わり方にも変化が出てきたと感じています。
また、時期としては年末年始や春のPC買い替えの時期は多くなります。最近では、Windows 11が登場した時期はお問い合わせが多くなりました。
――他に問い合わせが突然増えるきっかけはあるのでしょうか。例えば、ニュースでセキュリティに関する事件が報道されたときなど。
[平岩氏]ありますね。テレビよりもっとも顕著なのは、大手ニュースサイトに載ったときです。ご自分がその問題に遭遇していなかったとしても、漠然とした不安を解消するために確認しにくる方が多いように感じます。
Chromebookなど、ICT教育で導入された端末特有の悩みが急増仕事でPCを使っていても「分からない」ことはある
――では、ユーザー層について教えてください。これまでPCサポートというとシニアの方が困って相談するイメージだったのですが、比較的若い層、特に子どもを持つ世代の方の利用が増えているそうですね。
[平岩氏]割合としてはまだシニアの方が多いですが、小学生ぐらいのお子さんをお持ちの保護者世代の方の利用も増えています。文部科学省の「GIGAスクール構想」によって、「1人1台」のWindowsノートPCやiPad、Chromebookのいずれかを貸与する小中学校が増えたため、こうした学校端末に関するお問い合わせも多くなりました。
――保護者の方からはどんな問い合わせがあるのでしょうか。
[平岩氏]例えば、学校で使うMicrosoft Officeに関することや、オンライン授業で使うZoomなどのソフトやカメラ、マイクなどの周辺機器などになります。また、リテラシーの高い方、普段お仕事でPCを使われている保護者の方でも、意外と「メールしか使っていない」といった方もいらして、自分の範囲外の分野については困って相談してくるケースも多いです。
――日本の小中学校では、安価なことやGoogleのツールが使えるということで、Chromebookを採用した自治体も多いですが、使い慣れていないなど、家庭で戸惑いはないでしょうか。
[平岩氏]Chromebookに関するお問い合わせも多いです。例えば、「IPアドレスを調べたい」といったネットワーク関連の情報を探そうとしてもネットでは見つけづらいため、自力で調べようとするより、デジタルライフサポートにお問い合わせいただいたほうが早いかもしれません。
弊社ではChromebookの検証機を用意しており、多数お問い合わせいただくものに関してはナレッジ化しているので、なかなかネットに出てこない情報も迅速に回答できると思います。
電話よりもLINEやチャットでの相談が増加気軽にやり取りできる便利さや状況確認のしやすさから
――デジタルライフサポートの問い合わせツールとしては何が多いのでしょうか。
[平岩氏]電話がもっとも多いですが、最近の傾向としてLINEや「ウイルスバスター クラウド」のチャット機能の2つの利用が増えています。メールでは文章で説明をするのが難しい方でも、LINEでしたら、短いメッセージを送り合いながらリアルタイムで進めていくことができます。
[内藤氏]電話やメールで説明をするのが難しい方でも、LINEでしたら気軽にやり取りを進めていくことができます。また、キャプチャー画面を撮って送っていただければ、サポートメンバーも状況確認ができるため、問い合わせがしやすいと言う声もいただいています。
――ユーザー層の変化によって、使う窓口も変化しているのですね。LINEはログとして情報が残るので、ユーザーとしても後で見直すことができます。電話で話していたけど、キャプチャー画面を送りたいから、LINEに切り替えるといったこともできますか?
[平岩氏]対応しております。「ウイルスバスター クラウド」はオペレーターに相談するためのチャット機能があるので、このチャット機能を使ってリモートサポートなども行っています。お客さまが問題を説明しづらい場合、スタッフがチャットやLINEなどのやり取りを通じて、問題を探しあててサポートさせていただくことも心掛けています。
ネットの脅威に漠然とした不安子どもと一緒に家庭のセキュリティを守る方法を知ること
――これから採用されるGIGAスクール関連で問い合わせが増えてくると思います。デジタルライフサポートとしてはどのように対応されていくのでしょうか。
[平岩氏]まず、デバイスの環境の変化に関しては、常に敏感にキャッチアップしています。これから増えていきそうなお問い合わせに関しては事前に準備をした上で、キャパシティという意味でも対応できるようにしていきます。
また、子どもたちが学校でもデジタルライフを今後も送るようになると、ご両親は解消されることは無い漠然とした不安をずっと持つようになると思います。その不安に対して、私たちができることは、ソーシャルメディアなどで最新の脅威情報を発信することだと考えました。弊社のLINEやInstagram、Twitterなど各SNSアカウントをフォローしていただけると個人でも最新の脅威情報を把握しやすくなります。
――PCを使っていれば遭遇する可能性もある、フィッシング詐欺やマルウェア感染などのネットの脅威ですが、教育ライターとしての取材や子どもの学校でのPTA活動をしてみた実感として、多くの保護者はネットの脅威に対する意識があまり高くなく、そこにお金や手間をかけるところまでに思い至らない人が多いように思います。家庭で心掛けるべきことはありますか。
[平岩氏]一概には言えませんが、ネットの脅威に関しては「ここが怖い」といった具体的な事象を怖がるというよりは、本当に漠然とした不安を持たれている方が多いと思います。テレビなどで報道されるのは、脅威のごく一部や、よほど大規模なものだけです。
家庭で気を付けるためには、まずはやはり「知ること」が大事です。スマホやウェブブラウザーで表示される危険なメッセージの大半は無視すればいいのですが、知らないことによってクリックしてしまったり、サポート詐欺に引っ掛かってしまったりと、問題を大きくしてしまうことがあります。
また、子どもは何か問題に遭遇した場合、つい両親に隠してしまい、自分で解決しようとしてより深みにはまるケースもあります。家の中のセキュリティに関しては、両親だけが管理するのではなく、子どもも含めてセキュリティを知る場を設けていただけると良いと思います。
[内藤氏]弊社では、「ISKF(Internet Safety for Kids and Families)」という子どもや保護者向けのセキュリティ教育支援活動を行っています。学校のご要望に合わせて、対面やオンラインで、セキュリティ授業を行っています。そうした場でお聞きしたご意見などを社内で共有しつつ、サポートサービスなどでご家庭での不安解消につなげていきたいと考えています。
一歩間違えて大トラブルに発展しないために幅広い問い合わせ内容に応えるための教育プログラムとナレッジ管理
――これだけ多様なデバイスやサービスをサポートするのは大変な印象ですが、サポートを受ける側のユーザーとしては、どんな技術力を持った方がサポートしてくれているのか気になります。オペレーターの方の教育はどのように行っているのでしょうか。
[平岩氏]品質管理のサイクルとして、ソフトスキルとテクニカルスキル、ハードスキルを身に付けるための育成プログラムを行っています。
まず、「よりそい6か条」をもとにマインドセットを整え、テクニカルスキルに関しては初期研修プログラムで品質を統一します。項目ごとに品質管理担当者がいますので、同じ基準で評価できるように管理基準マネージメントを統一しています。その上で、覆面調査として実際に問い合わせを行い、一定品質のサポートができているかを確認しています。また、模範となる方はきちんと評価して、「ベストエージェント」として表彰しています。
また、テクニカルの面でいうと、非常にサポート範囲が幅広いため、弊社が有するナレッジの数も膨大なものになっています。それらを暗記することよりも、正しい情報を検索してお伝えする力と言うところを重要視しています。ともすると、記憶に頼ってしまいがちですが、他社製品のサポートなども取り扱いますので、一歩間違えると非常に大きなサポートのトラブルに発展する可能性もあります。だからこそ、ナレッジ整理、検索をしてきちんと案内する点を徹底しています。
――ちなみに「よりそい6か条」とはどんなものでしょうか。
[平岩氏]サポートメンバーが集まり、お客さまに寄り添うサポートとは何かを考えてできたのが「よりそい6か条」です。お客さまにとって頼りになるサポートサービスを提供するために必要な6つの心得をまとめたものです。簡単なものではありますが、サポートセンターの全オペレーターが認識をし、サポートとして当たり前の文化として浸透できるように努めています。
[内藤氏]サポートサービスでは、単に技術力だけではなく、お客さまのペースに合わせてお話をする、さまざまなリテラシーの方に寄り添ってサポートをする「技術力プラスアルファ」のソフトスキルの部分をとても重視しています。
デジタルライフサポートは現代の駆け込み寺!?
――24時間365日のフルサポートやユーザーに寄り添うための取り組みがサポートサービスをワンランク上に押し上げているのですね。
[内藤氏]子どものGIGAスクール、ICT教育対応のために導入されるケースはもちろんのこと、離れて住んでいるご両親のために、PCとともにデジタルライフサポート付きの「ウイルスバスター クラウド」を購入される方も多いです。
――家庭によってはいつでも家族のサポートをできるわけではないですからね。デジタルライフサポートは、現代のデジタルライフに生きる人々の駆け込み寺のような存在に感じます。
[平岩氏]ぜひ、そういう存在になれればいいなと思っています。