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累計出荷555万台突破! 「心と身体を軽くする」ボディケアの急成長ブランド「DOCTORAIR」を支えた「必要なもの」とは?

急増する問い合わせに「クラウドコールセンター」はどう有用だったのか?

DOCTORAIRのヘルスケア機器。マッサージ機器やフィットネス、ボディメンテナンスなど多数の製品がラインナップされており、2022年8月には累計出荷台数555万台を突破した

 コロナ禍でリモートワークが広まり、自宅で仕事をする人が増えてきました。慣れない環境でPCに向かっていると肩や腰、首が凝ってしまうし、コロナ禍ということもありマッサージ屋に行きにくいという人もいるだろう。

 そんな中、大ブレイクしているのが「DOCTORAIR(ドクターエア)」というボディケアブランド。俳優の米倉涼子さんがDOCTORAIRシリーズ「エクサガンハイパー」のCMに出演しているので、テレビで見かけた方も多いはず。

 「DOCTORAIR」は株式会社ドリームファクトリーが2013年に立ち上げたトータルボディケアブランドで、2022年8月にシリーズ累計出荷台数が555万台を突破。

 そんな大人気ブランドではあるものの、リリース直後の2013~2014年頃は専門のサポートセンターはなく、顧客からかかってきた電話には、「オフィスにいる誰かが出る」という状況だったそう。しかし、ブランドが成長するにつれ、問い合わせも増え、「取った電話の内容をエクセルに記入する」という力業ではさばけなくなってきたという。

クラウドベースでコールセンターを構築できる「AmeyoJ」。ミニマムプランであれば5万円からで導入できる上、顧客管理(CRM)も内蔵、電話回線も一括して用意でき、トータルでのコストも安いという。

 そこで導入したのが、クラウドベースでコールセンターを構築できる株式会社アイ・ピー・エス・プロ提供のCTI(Computer Telephony Integration)ソリューション「AmeyoJ」。

 「事業拡大の時にこそ、必要となる」(アイ・ピー・エス・プロ)というコールセンターのポイント、特に急成長を支えた経緯や導入効果について、「DOCTORAIR」のコールセンター立ち上げに関わったドリームファクトリー 業務本部 品質管理部 カスタマーサービス課 課長の藤原 寿宏氏にお話をお伺いしました。

顧客対応の「Excel管理」が限界……、そして「クラウドコールセンター」を導入

3Dマッサージシート」の現行モデル。椅子の上に載せて使うマッサージ機器のため、広い場所を必要とせず、大ヒット製品となった。
こちらは「3Dマッサージピロー」の現行モデル。

 藤原氏によると、「DOCTORAIR」のはじまりとなったのは2013年に発売した「3Dマッサージシート」とのこと。

 「当時、マッサージ器と言えば、大型のマッサージチェアのことだったのですが、広い設置スペースが必要だったり、高価だったりと気軽に手を出せるものでもありませんでした。その点、「3Dマッサージシート」は手持ちの椅子の上に乗せるタイプのマッサージ機器なので場所を取らず、注目を集めました。続く2014年には「3Dマッサージピロー」を発売しました」(藤原氏)

 この時期に藤原氏が入社。前職がコールセンター関係だったこともあり、コールセンターの立ち上げを指示されていました。しかし、入社してみると想像以上に「何もない」状態だったそう。

事業拡大で増えていく顧客対応……

 問い合わせの電話が会社にかかってきたら、担当だけでなく、関係のない経理も営業も出ていたのです。案内の仕方も統一されていないので、前の人と言っていることと違う、というクレームも出ていました。クレームの対応もきちんとできておらず、その場しのぎで終わらせるためだけの対応をしていました。

「当時の担当は私ともうひとりだけだったのですが、毎日40~50件の電話がかかってきており、大きな負担になっていました。そこで、まずは電話の対応はすべて自分ともう一人で巻き取ることにして集約しました」(藤原氏)

 顧客対応の記録はExcelに入力しようとしたのですが、どう運用して良いのかもわかりません。とりあえず、その日その日の記録をしていたのですが、ただ残しているだけ、という状況でした。何かあったときに、過去の問い合わせを参照し、以前はどのように対応したのかがわからなかったのです。

 さらに、管理医療機器である「DOCTORAIR」のマッサージシリーズは、製品の不具合に関する問い合わせの場合、特定の書式で情報を残しておく必要があります。その時は、1件1件をWordで作成し、項目を埋め、アップロードしていました。

「対応を記録するだけであればExcelでもできるのですが、問い合わせは重要なお客様の声になるので、それを営業活動や開発に向けてのフィードバック、マーケティング活動に役立てたいと考えていました。また、やはりお客様の対応をする際に、過去の履歴をすぐに見たいというニーズもありました」(藤原氏)

CRM一体の「コールセンターシステム」としてAmeyoJを導入

 藤原氏は前職の経験から、CTIソリューションを導入し、電話がかかってきたら顧客情報をすぐに見られるようにすれば、これらの課題を解決できることがわかっていました。そこで2015年に入り、CTIベンダー数社が手がける製品を比較検討したとのこと。

 CTIに求めたのは、カスタマイズ性でした。当時、2~3製品だったラインナップもその後はどんどん拡大する予定だったので、いちいちカスタマイズをベンダーに依頼するのではコストも時間もかかってしまいます。ベンチャー企業なので、昨日言っていたことが今日変わる、ということもあるあるだそう。そのため、自分たちである程度カスタマイズできる柔軟性が必要でした。

 また、CTIを導入するにあたり、CRM(Customer Relationship Management=顧客関係マネジメント)システムも必要になるので、まとめてサポートしてもらいたい、というニーズもあったという。そして、いろいろ検討した上で、最終的に藤原氏が選んだのが「AmeyoJ」だったとのこと。

電話の受発信、顧客管理(CRM)、通信回線をまとめて提供する「AmeyoJ」

 「AmeyoJ」はインドで生まれたCTI「Ameyo」の日本語版。全世界で4000社以上の導入実績があり、インバウンド(着信)とアウトバンド(発信)の両方に対応できるオールインワンパッケージとなっている。

 もちろんCRMとの連携もでき、「ある顧客からどのような問い合わせがあり、どのように対応したのか」をCRMで管理可能。CRMについては、AmeyoJのCRMが利用できるほか、他社製CRMとも連携できる。このように、「コールセンターに必要な環境をまとめて提供できる」のが特徴といえる。

 ドリームファクトリーでは、「AmeyoJ」と一体運用できるCRMも導同時に入し、アイ・ピー・エス・プロが導入とサポートを行ったとのこと。

「CTIとCRM、回線を一体提供する」ことで、管理がシンプルに

アイ・ピー・エス・プロ 営業部の桶川明夏氏

 「我々は「AmeyoJ」とCRM、さらに回線まで、まとめてサポートできるのが強みです。CRMは、内蔵のものはもちろん、FlexCRMやkintone、Salesforce、さらにオープンソースのものまで幅広く対応していますし、弊社で提供している回線も、秒単位の無駄のない課金システムとなっており、余分なコストを抑えられると好評です」とアイ・ピー・エス・プロ 営業部の桶川明夏氏。

 日々の運用でトラブルが発生して問い合わせた場合、お客様の構成によっては、CTIのベンダーとCRMのベンダーでたらい回しになることもあります。症状によってはどちらで対応すべきなのかわかりにくいことも考えられます。しかし、アイ・ピー・エス・プロなら、まとめてサポートしてくれるので、問い合わせれば最速で解決の支援をしてくれるのです。

「通信回線も同時に提供する」強み、通話の課金も1秒単位で低コスト

アイ・ピー・エス・プロは365日・24時間運用のデータセンターを運用している

 顧客ごとに営業担当とサポート担当の担当者が2名付き、ニーズに合わせた運用の提案をしてくれるのもポイントだ。

「アイ・ピー・エス・プロさんには、導入時に色々と要望を真摯に聞いていただきました。こうして欲しいああして欲しいと、無茶ぶりしたのですが、しっかりとフォローアップして頂いたので安心できました」(藤原氏)

 「弊社はクラウドサービスだけでなく、電話回線もワンストップでできるのが強みです。もちろん、電話番号の契約もまとめて行えます。そのおかげで、通常は固定電話なら3分ごと、携帯電話なら30秒ごとに課金されることが多いCTIですが、「AmeyoJ」であれば1秒単位で課金できる実費精算なので、30秒単位の課金では発生してしまう“使用していない通話料”をカットできます。さらに留守番電話を検知する機能があるので、留守番メッセージが流れたら自動的に切断して、次のコールが行えます」(桶川氏)

顧客対応の効率アップとスムースなテレワーク以降を実現

AmeyoJの操作画面
全体の履歴を確認できる
コールセンター全体の状況も確認可能

 「AmeyoJを導入したことで、顧客対応の効率は圧倒的に上がった」(藤原氏)とのこと。顧客から電話がかかってくると、CRMの情報が画面上に表示されるため、スムーズに対応できるほか、担当者ごとの対応のばらつきもなくなり、対応品質も向上しましたという。

 その後、「DOCTORAIR」シリーズの製品はさらに好調に売れ、人材も増え、コールセンターもすぐに大規模なものに。新製品が登場した時も、藤原氏達が自分で「AmeyoJ」にデータを追加したそう。「すでに50種類以上の製品を登録していますが、ベンダーに開発依頼しないで対応できるのは業務効率改善に寄与している」(藤原氏)という。

コロナ禍にもスムースに対応、コールセンターの事務所も解約……

AmeyoJの機能詳細。これらの機能が全てクラウドベースで提供されている。また、今回はインバウンド(電話着信)の活用事例をお伺いしたが、AmeyoJはアウトバウンド(電話発信)の機能も強力。同社サイトでは、活用事例コールセンター運用全般に関するノウハウ集も公開されている。

 その後、2018年に累計出荷台数が200万台を越え、コロナ禍に突入する。

 「DOCTORAIRは多くの直営店を構えていたのですが、コロナの影響もあり縮小。しかし、逆にネットショッピングは大変好調で、多くのお客様に購入していただけました。コロナ禍における在宅の需要を取り込めたのが大きかったです。“特別定額給付金”として10万円が配られた時も、多くの方に弊社製品を購入していただけました」(藤原氏)

 そうした中、リモートワークにもスムーズに対応できたそう。

 「それは、“AmeyoJ”がクラウドサービスだったからです。場所を問わず、Web上で受電業務が行えるので、自宅でサポートセンター業務を行えるのです。スタッフからはもう在宅しか考えられず、出勤には戻せない、と言われています」(藤原氏)という。

 過去、DOCTORAIRのサポートセンターは大阪の梅田近辺にあったが、リモートワークの進行によりこれを解約、 サポートセンターのスタッフはもう3年近く完全在宅勤務となっているという。通勤時間がゼロになることで、終業後すぐに家事ができたり、朝の通勤時間を散歩に当てて生活のリズムを改善したりなど、様々なメリットが生まれたという。

「スタッフの生活に余裕ができることはとてもいいことですし、会社としても大きな賃料がなくなり、とてもメリットがありました」(藤原氏)

 最後に、藤原氏に今後の展望について伺った。

 「アイ・ピー・エス・プロには使いすぎと冗談を言われるくらい“AmeyoJ”を使い倒しているので、今後も活用していきます。今、手を付けているのは、蓄積した顧客データや対応履歴の活用です。これまでは簡単な改善案なら、自部門に向けて通知するだけでしたが、これからは他部門にも展開していきたいです。データを抽出して、改善するということを続けます。時代と共に変わるお客様のニーズを常に感じながら、臨機応変に顧客対応をしていきたいと考えています」と藤原氏は締めてくれました。