【ブロードバンド】
自治体のファイバー網を
一般向けFTTHサービスに活用~岩手県江刺市
■URL
http://www.ttb.go.jp/hodo/h1410-12/1112b6301.html
http://www.waiwai-net.ne.jp/
総務省東北総合通信局は18日、岩手県江刺市の江和株式会社に第一種電気通信事業の許可状を交付した。同社では、市内限定で光ファイバーを利用したインターネット接続サービス「えさしわいわいネット」を展開する。市の保有するファイバー網を借り受け、これを一般ユーザー向けのサービスに活用する。
江刺市は2001年度、総務省の補助事業で市役所や小中学校を結ぶファイバー網を構築。さらにその後も市の事業として、2005年度までに市内全域をカバーするファイバー網の整備計画を推進している。幹線網だけでなく、全戸提供を仮定した支線網も含まれており、全長は250kmに及ぶという。あとは自宅の引き込み線部分のコストをユーザーが負担すれば、原則として全世帯までファイバー網が届く環境になる。
えさしわいわいネットでは、2003年4月をめどに市内の一部地域でサービスを開始。市のファイバー網整備に合わせて順次エリアを拡大し、最終的に市内全地域にサービスを提供する予定だ。すでに同市でもフレッツ・ADSLが提供されてはいるものの、中心部に止まっている。周辺地域には「大手通信事業者のサービスは未来永劫来ない」(えさしわいわいネット)として、特にそのようなエリアの住民からの期待が高まっている模様だ。月額料金は4,600円程度を検討している。
同市をはじめ、全国各地で総務省の補助事業による市町村の公共ネットワーク構築が進められているが、本来の目的である行政サービスだけでは帯域が有効に活用されているとは言いがたい状況だ。そこで総務省では、このようなインフラを民間事業者に開放することを認め、今年夏には貸し出しに必要な手続きも整備した。
情報格差を解消する方法を模索していた江刺市は、早速この制度を利用。地元企業と市が出資する第3セクターの江和を受け皿として、市民がブロードバンドを利用できる環境を整えることにした。市町村の公共ネットワークを民間企業に貸し出して、一般ユーザー向けのインターネット接続サービスに活用するのは「おそらく全国的にも初めて」(江刺市情報化推進室)だとしている。
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(2002/11/20)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]
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