【サービス】
理経、一時利用できる公衆無線LANサービスを11月26日より開始株式会社理経は、11月26日より公衆無線LANサービス「BizPortal」を開始する。サービス開始時はエリアを新宿に限定、スクラッチカードやクレジットカードを利用することで事前登録の必要なくサービスを利用できる。スクラッチカードは1日券が500円。 BizPortalは、サービスの対象を主として外国人客やビジネスマンに向け、エリアを新宿に限定してサービスを展開。サービス提供エリアではIEEE 802.11b準拠の無線LANを用意し、スクラッチカードを購入してIDとパスワードを取得することでBizPortalを利用できる仕組み。クレジットカードによる購入方法も用意されている。BizPortalのサービスエリアではブラウザを立ち上げると強制的にBizPortalのポータルが表示され、地域情報などは無料で利用できる。現在は普及目覚しいIEEE 802.11bのみ対応するが、ユーザーの利用状況などを踏まえてIEEE 802.11aの対応も検討していくという。 サービスの利用にはIDとパスワードのほか、ESS-IDと128bitのWEPキー、名前や電話番号といった個人情報の入力が必要。ESS-IDとWEPキーはスクラッチカードに記載され、個人情報もIDとパスワードの有効期間内であれば2回目以降に入力する必要はない。クレジットカード購入の場合はIDとパスワードを購入直後にWebで確認できるほか、メールでも送付される。将来的にIEEE 802.1xをサポートすることで、同じアクセスポイントを利用するユーザーからのアクセス防止なども対応するという。 11月26日からサービスを開始するのは、新宿ワシントンホテル、センチュリーハイアット東京、新宿アイランドタワー、新宿野村ビルの4カ所。スクラッチカードは2種類用意され、1日券が500円、7日券が1,000円で購入できる。サービス提供エリアは2003年内に新宿20カ所まで拡大される予定。 また、他社のビジネスユーザー向けサービスと連携することで、メニューの拡充も図っていく。コクヨが運営するビジネスレンタルスペース「DESK@(デスカット)」の法人会員は、スクラッチカードを購入することなくBizPortalを利用でき、料金は後日DESK@の料金と同時に請求される。また、イー・エフ・アイのサービス「PrintMe」とも連携。ドキュメントをいったんサーバーにアップロードしたのち、ユーザーが取得したIDを端末に打ち込んでプリントアウトすることで、プリンタのドライバなどを必要とせずドキュメントを印刷できる。BizPortalのエリアではスクラッチカードを購入しなくてもPrintMeを無料で利用可能。PrintMeの料金は未定だが、センチュリーハイアットでは1~2カ月程度無料キャンペーンを実施したのち、料金を設定する方向だという。 さらに無線LANの業界団体であるWi-Fi Allianceが提唱する無線LANの国際ローミング規格「Wi-FI ZONE」へ参加。同様にWi-Fi ZONEへの参加を表明しているNTT-MEの「ネオモバイル」のバックボーンを利用して、プロバイダーから利用できるローミングサービスも検討している。ネオモバイルが現在試験サービスを実施している無線LANを利用したIP電話サービスについても同様に検討しているが、アクセスポイントの乗り入れなどは現在のところ予定されていない。 理経の青柳勝栄代表取締役社長は、数10万レベルで構築できる無線LANの初期インフラ低価格化と、無線LAN内蔵型のノートパソコンやPDAなどが整いつつあることに加え、米国政府機関などに導入されており、理経が日本で代理店販売を行なう米Cranite Systemsのセキュリティ製品など、無線LANのセキュリティが高まっているという3点を踏まえた上で、「初のコンシューマ向けサービスを実施するに至った」と経緯を説明した。 企画開発部の徳田日出海氏は、同社がホテルなどに導入しているVDSLサービスを例に挙げ、「サービス開始3年間は収益が見込めなかったものの、4年目にして十分な収益を見込めるようになっている」と語り、BizPortalについても長期的な視野でサービスを展開していくとした。メインターゲットは国内でプロバイダー登録のできない外国人旅行客などで、事前登録なく利用できることを武器にユーザーを呼び込む作戦だ。ホテルでのVDSLサービスではインターネット利用というよりもVPNを利用して会社のサーバーにアクセスしたいという需要が多く、そのためBizPortalでもVPNへのアクセス用にグローバルIPアドレスを用意しているという。 売上目標については「新宿20カ所のサービスエリアを構築したのち、1年間で3,500万円」とコメント、これは1日にスクラッチカード10枚程度の売上だという。もちろんこの金額では採算は取れないが、当初はユーザーの認知度を向上させる程度の位置づけであり、長期的に見れば収益の見込めるサービスであると意気込みを語った。 ◎関連記事 (2002/11/21) [Reported by 甲斐 祐樹] |
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